大西郷という虚像

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大西郷という虚像

  • 著者名:原田伊織【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 悟空出版(2017/11発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784908117213

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内容説明

「明治維新のもう一方の担い手である薩摩はどうなのか?」「吉田松陰や木戸孝允がテロリストなら西郷はどうなのか?」「大西郷は明治新政府にとって好都合な虚像ではないのか」等々。『明治維新という過ち』(毎日ワンズ刊)を拝読して感動した私たちは、原田伊織先生にこんな疑問を投げかけ、執筆を依頼しました。原田先生は「実はそこを書かねば明治維新のまやかしをハッキリすることは出来ないと思っていました。しかし、これで長州に次いで薩摩にも行けなくなるなぁ(笑)。でも 書きましょう」と快諾をいただき、1年に及ぶ執筆期間を経て完成したのが本書です。「歴史の検証にタブーと例外があってはならない。たとえ“大西郷”であっても虚像は剥がさねばならない」。『明治維新の過ち』『官賊と幕臣たち』(ともに毎日ワンズ刊)を読んだ人も、読んでいない人も、維新の実相を明らかにする“原田ワールド”にたっぷりと浸ってください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

磁石

22
与えられた「歴史」は、たいがいが間違っているというが……。本音と建前、嫉妬深い武闘派という厄介なアク者もテゲ/二才頭のマナーを身に纏えば英雄に。西郷のみならず、明治維新の勝者達に特有の美しい表面と醜い骨格の落差。田舎の顔役程度ならまさに適材だったが、国家レベルになると大災厄をもたらしてしまう。ただただ討幕のみ、気にいらなければ短刀でケリをつけ天皇も私的利用、全くビジョンを持っていなかった。……おそらく西郷自身は「大」になって、たぶん英霊にもなれて悦んでるから、この本は「夢」に飽きた人のみ見てみるとよし2018/06/27

とも

20
★★★☆同じ作家の書く同一テーマの続編なので、前作の焼き直し感がある事は否定できない。が、少々題名に反して西郷に対する著述が少なすぎたような気はする。できればこれまでにあったような、もう少し強行に突っ込んでほしかったかと。2021/03/07

なつきネコ

14
西郷さんは悪くは言われてないな。策士でありながら最後は戦という頭脳しかなかったというのは納得。二才頭こそ西郷を考える上で重要なのは納得。江戸城開場はすでに本営は考えており、西郷には決定権はなかった事は驚いた。政府の腐敗に怒りから軍に決定してしまう。斉彬に見出されたが故に、名が売れた。何度流刑されても戻されたのも、その名故。そうすると西郷さんは時代が作り上げた英雄だった。しかし、西郷の銅像といい、彼の実像を殺そうとするのは何故だろうか。2018/12/08

roatsu

13
各種史料と著者の洞察から導き出す西郷隆盛の実像は非常に説得力が高い。比較的近い時代の人物・事件とて今日伝わる姿がどれ程実態と乖離しているか、そして何者がどんな理由でそれを行うのかつくづくと考えさせられた。暴力で政権を簒奪した破廉恥な『官賊』が紡いだ自己正当化に塗れた日本近現代史を問い直し、その延長線上で今日行き詰まる日本が将来を描き直す一助としたい著者の三部作の棹尾を飾るに相応しい一冊。西郷の実像解読も熱がこもるが、併せて倒幕後から明治にわたる長・薩人達による権力専横の醜悪な実態も執拗に告発している。2016/08/21

なつきネコ

12
やっぱり読んでいたか、忘れていたけど。歴史を語る上で功罪あり、西郷隆盛の裏表を書き尽くしてこそ。倒す敵には罠にはめ最後には暴力を使い倒す粘着質な西郷。かと思えば、金銭面には清らかで、その汚れを許せず立ち上がる西郷。それは同じ西郷隆盛。いわゆる精神面の潔癖症だったん気がする。下には優しく慕われるが、上を軽蔑し独断傾向にある点は三国志の関羽の人物描写と重なる気がする。案外、親しまれて神聖化される人間は似ているのかもしれない。しかし、この作者は西郷隆盛を好きな気がする。2023/04/12

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