文春e-book<br> はやく老人になりたいと彼女はいう

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

文春e-book
はやく老人になりたいと彼女はいう

  • 著者名:伊藤たかみ
  • 価格 ¥1,426(本体¥1,297)
  • 文藝春秋(2017/11発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163907529

ファイル: /

内容説明

暗い森? 頭蓋骨? 終わった恋?
どこか懐かしくて、ちょっぴりホラー。
大人のための絵本小説です。

新興住宅地の夏祭の会場から、きもだめしをするうちに、
十歳の少年と少女が、深い森に迷いこんだ。
少年とは知り合いの老婆は、森をさまよう。
さらに少年の母親と、少女の父親も……。

ひと晩だけの遭難。暗い森で浮かびあがった、それぞれの人生。
愛に不器用な人たちを描く、おとぎ話のような文学作品。

小幡彩貴のイラスト21点掲載!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

143
とても不思議な読後感で、帯にあるように確かに見事なくらい『大人のための絵本小説』です。それぞれの配偶者と別居、離婚した同級生の二人はそれぞれ子連れで里帰りしていた中で不思議な体験をすることに。それぞれの子供が出会った怪しげ?な老婆が二人を森の奥へと誘います。ホラーでもあり、ヒューマンタッチのシリアス感もあり、小さなラブストーリーでもありと、あらゆる要素を見事にまとめてくれています。同級生への恋心や子供の成長、人を愛することの思いなどがこんなカタチでさらりと綴られている作品もなかなかないような気がします。2017/12/10

みかん🍊

95
祭りの夜新興住宅の奥の森に迷い込んだ老婆と少年と探しに来た少年の母と昔恋人同志だった男性、認知症の老婆の目的は愛し過ぎた夫の遺骨を移動させる事、はやく老人になって欲とか愛とか煩わしい事を失くして平穏に行きたい母親と妻の愛を取り戻したい男性、それぞれの思いが交差する、地元が舞台の話なので熊を巡る三重県と滋賀県の話が組み込まれていたり知った地名が出てきて楽しめた、あの辺りは本当に土葬が行われてるのだろうか、鉄道廃線跡も気になった。2018/08/23

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

93
83/100点 小幡彩貴さんのイラストがところどころに入ったおとぎ話のような、どこか懐かしくて、ちょっぴりホラーな大人のための絵本小説。主人公たち男女二人が思い描く不器用な愛の様子が、なかなか面白く読めました。作者が三重県の名張市出身で作品の舞台も三重県みたいなので、三重県在住の私はどの辺りの話かなぁと思いながら読んでいました。鉄道廃線跡のトンネルとかが登場してきてたので、ひょっとしてあの辺りかなと見当をつけながらの読書も結構楽しめました。2018/05/21

なゆ

86
タイトルに誘われて。はやく老人にとまでは言わないが、歳をとったら穏やかな暮らしが待ってそう、と思うし。読んでみたら、なんだか意外に愛について考えさせられて、とても好き。歪んだ愛、壊れた愛、壊れかけた愛。肝試しで子どもたちが迷い込んだ森の中での、奇妙な一夜。森の中を彷徨っていた老婆ちづ子の目的とは。ちづ子の執念の愛に、麻里子も敬吾も少し気持ちに変化がありそうだ。なんといっても、和馬くんがいいな。10歳の男の子らしい心の揺れ動き。「男と女はややこしいんだぜ」なーんて考えながら、お母さん大好きなとこも可愛い♡。2018/04/17

モルク

78
なにかある、何かあると読み終える。祭りの夜の迷子騒動、死んだ人の土葬にされた骨を掘り起こそうとする老婆、認知症でありながら、未だに亡き夫の愛を得ようとし独占しようとする。そして早く干渉されずにすむ老人になりたい麻理子。共感はしないが、何か目を離せないでいる人々。「おばあちゃんのぽ〇た〇た焼き」のような元祖おばあちゃんに成れればいいけど、なかなかしんどい。2018/04/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12368822
  • ご注意事項