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内容説明
2018年3月に任期を迎える黒田日銀総裁。出口戦略がどうなるかを国民が注視しているが、日銀には出口を困難化する「3つの不都合な真実」があり、永遠の超金融緩和を余儀なくされるリスクも存在する。
ここでいう「3つの不都合な真実」とは、(1)日銀の出口は米国が利下げになるまでの限られた猶予期間しかないこと、(2)日銀は金利ターゲットに転換することで長期の緩和維持を可能としたが、その反面で日銀自身の力による追加緩和は事実上困難であり、緩和の成否は米国経済状況次第であること、(3)マイナス金利とイールドカーブ・コントロールで市場に麻酔をかけているために日銀と市場の対話は困難であり、さらに麻酔は劇薬であるだけに金融システムに副作用が大きいこと、である。金融緩和を長期化すれば、出口における日銀の追加コスト負担も不可避だ。
本書は、日銀を中心にしつつ、政府・金融機関を含めた三位一体構造の視点から出口戦略を展望。出口戦略に関する様々なスキームを提示する。政策論のみならず、日銀のバランスシートの毀損、民間金融機関へのインパクトなど独自分析も交えて、金融政策の進むべき道を明らかにするので、金融実務家にとっても有意義な情報が得られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
76
金融緩和の出口に向け精緻な議論がなされている。いくつもシュミレーションを作って利上げに伴う財政・日銀・金融機関に与える影響を検討する。すべて薄氷を踏むが如くの議論。それだけにもりかけ問題あたりで「アベクロノミクス」がすべってぼっちゃんと沈んだら、円高不況と金利上昇で日本経済は凍死するんだろうなと思わず空目になってしまった。あと金融機関は何をやっても利上げしよう(国債価格が下落してBSが痛む)がしまい(融資による利ザヤが稼げない)が、すでに死んでいる状態なので若者が就職するところではないと改めて実感。2018/05/01
okadaisuk8
2
黒田東彦総裁のもと行われる異次元緩和を手仕舞いするときについて、8つのシナリオを用意し日銀、財政、金融機関への影響をそれぞれ探る。具体的で面白い。単にもう出口ない!というより知的な態度だと思う。ただ、緩和が効果を発揮して出口を探る状態となり、そこから10年スパンで正常化を図るといっても、その間にまた不景気とか起きたらどうすればいいのか…そもそも本書は黒田さんが一期勤め上げた次の5年から試算を始めているが、実際には黒田さん続投して緩和も10年目だし…ますます正常化への道は狭まっている気がする…2022/07/31
shun
0
★★★☆☆+2021/04/26
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