新潮選書<br> 逆説の法則(新潮選書)

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新潮選書
逆説の法則(新潮選書)

  • 著者名:西成活裕【著】
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 新潮社(2017/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106038099

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内容説明

経済が縮小傾向にあると、人はつい短期的な思考に陥る。目先の利益を優先させるあまり技術の蓄積が疎かになり、次世代を支える長期プロジェクトも立てにくくなる。10年前に渋滞学を世に問うた数理物理学者が、「長期的思考」がいかに正しいかを多くのロジックで証明。ビジネスに応用できる「四つの逆説の法則」が企業を救う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

90
逆説の法則というよりも、考え直すヒントのような感じです。理学系の人が世間を考えると、というような感じの本で文科系の私にとっては比較的自分の考えが狭い世界の中でのものだということを示してくれている本だと思いました。いくつか気になることもあり先行きの短い自分ですが今後の行動を実行していくヒントになるのではと思いました。2017/09/30

おさむ

38
クルマの渋滞学で有名な東大教授が、長期思考の重要性を説く本。「損して得取れ」とか「急がば回れ」とか、古今東西のことわざでも言われているセオリーを改めて説明しています。著者が説く法則は次の4つ。(間を)空けるが勝ち。分けるが勝ち。(手間や時間を)かけるが勝ち。負けるが勝ち。うーむ、言い得て妙ですね笑。もともと日本人は長期的な思考を持っていたはずなのに、ネットの普及のせいか社会全体が最近は短期的思考に陥りがちのように感じていました。新たな視座を与えてもらえた気がします。2018/05/09

あまね

16
良書です。『急がば回れ』『情けは人の為ならず』『損して得とれ』等々を数学的に分析しているところが、とても面白かったです。日本的道徳観が長期的思考の中でいかに重要であり、グローバル化された昨今、それを継続していくのがどれほど心許ないかがよく分かりました。『渋滞学』の先生程度にしか存じ上げませんでしたが、西成氏が長期的視野になったのは悠久の知恵と千年以上も変わらない真理がゴロゴロある数学と物理学からだとか。なるほど〜。2018/03/28

k sato

11
「急がば回れ」に代表される諺は、一見真理とは真逆の価値観にもみえるが、ある結論が導かれ利得を上げる逆説である。逆説は、個人、組織、社会の中に存在する。例えば、高リスク高リターンの短期的投資に対し、今損をして後で利を得る長期的投資がある。筆者は現代日本が短絡的思考に陥っていることを憂いている。科学技術研究への国家予算削減はその最たる事例だ。効率や目先の利益優先の思考では、長期的には取り返しのつかないことになる。そこで、筆者が構築したロジックが「空けるが勝ち、分けるが勝ち、負けるが勝ち、かけるが勝ち」である2022/10/02

GreenThumb

11
長期的視野の重要性、短期的視野の危険性を逆説の法則からわかりやすく解説してくれる本。本当は難しい数学で説明できるのでしょうが、あえて数式をほとんど使わずに解説しています。このため、内容が一部ぼんやりとしてしまった感はやむを得ないのかと思いますが、内容にはとても説得力があります。現代の社会は、多くのことが短期的な結果で判断されるようになり、即効性をより求められます。様々なテクノロジーがさらに追い討ちをかけています。一見無駄と思えるようなまわり道や、利他的な行動の重要性により注目すべきという点に同感です。2021/03/28

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