内容説明
なぜ、人は煽動家(ポピュリスト)に揺さぶられてしまうのか? 日本社会、特に日本型リベラルに足りない「ガチンコの議論」とは? トランプ旋風、欧州の極右台頭、そして小池劇場まで、注目度急上昇中の国際ジャーナリストが、テレビでは伝えきれない「ニュースを体視する知性」を授ける。「煽動」の正体を知ることでしか、社会の耐性は生まれない!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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15
「デマをも厭わぬニュースサイトが大統領選挙の原動力となり、かつその元代表者が米国政治の中心に座る-」(P.58)過激思想をファッションのように「着こなす」と、手軽に全能感に浸れるし、反対意見は皆ヒステリックな情弱に見える。不確かな時代に、きっとその安心感がウケているのだと思う。トランプ当選後にNHK『白熱教室』を観て感じたのは、ポリコレを欠いた他人の発言は、自分がその被害者ではないと思えた時、最高に気持ちよくなってしまうという人の性だった。2018/05/07
ミエミル
13
★2.5 2018/05/13
Kazuo Ebihara
3
著者は、ニューヨーク生まれ。 5歳の時に広島に渡り、中高時代は日米を行き来し、 現役で東大に入ったものの直ぐに辞め、 ハーバード大に入り直した秀才。 現在、国際的ジャーナリストとして、日本をベースに活躍。 本書では、米国と日本の政治、社会、防衛、マスコミなどについて、広く浅く論じた。 日本通の米国人による典型的な日本人論。 タイトルの「ニッポン革命論」は、盛り過ぎ、誇大表示です。 2017/11/21
犬頭小次郎
2
大坂なおみさんのホワイトウォッシュや浜田雅功さんのブラックフェイスなど、日本の差別の感覚が国際的な話題になることが最近増えたように思う。 今や情報も人も容易に国境を超える時代で、文化や価値観の衝突がさけられない以上、「日本だけ特別」という言い訳は成り立たない。 「あとは女の子にやらせておきますから」発言ふくめ、国際基準ではなにが差別だと認識され得るのか理解する必要があり「二流国、後進国」とのイメージをもたれたまま五輪開催を迎えるのか、と警鐘をならす一冊。 情報濃度が凄いのでもう一度読みます。 2019/02/25
じぇまん
2
すべての日本人に読んでほしい本。ネットやテレビに接していて日々感じる違和感を言語化してくれていて、爽快感がある。だが苦味もあれば痛みもある爽快感だ。圧倒的な情報量と分析力。日本語で得られる情報には限りがあるのだと痛感する。善悪という概念を超えた圧倒的な複雑性の世界を泳いでいくことは困難だ。だが困難だとわかった上でそれを受け入れていくと言い、受け入れていけと言う。勇敢。モーリーさんは勇敢な人なのだと今更ながら気づいた。2018/05/02




