ハヤカワ文庫JA<br> 男たちは北へ

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ハヤカワ文庫JA
男たちは北へ

  • 著者名:風間一輝【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 早川書房(2017/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150305222

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内容説明

東京から青森まで――緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車でツーリングする中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。ひょんなことから自衛隊の陰謀さわぎに巻き込まれ、特別隊に追跡されるはめになった。道中で出会ったヒッチハイクの家出少年、桐沢、自衛隊の尾形三佐――追う者と追われる者の対決、冒険とサスペンスをはらみつつ、男たちは北へ。男たちのロマンをさわやかに描く傑作ロード・ノヴェル。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

186
何かの雑誌(多分「ダヴィンチ」)で紹介されていて読んだ作品ですが、意外なラッキーモノでした。ハードボイルドは確かにハードボイルドですが、銃が出てきて殴り合いが行われ・・・ではなく、メンタル的な部分で書かれている、ある意味スタンダードな作風がハマりました。自転車のロードノベルとしても十分に堪能できるので、「ひとつぶで二度おいしい」的な作品です。全体的な流れはあまりガツガツしていないので、読んでいても疲れを感じず、まさしく自転車に乗っているかのようにスッと読み進めていけます。こういうハードボイルドも良しです。2011/03/08

おしゃべりメガネ

119
やっぱり読む作品って改めてタイミングが大事なんだなぁと感じました。以前読んだトキは正直、ただただページを捲り「ふ~ん」「へぇ~」的な感想しか持てなかった記憶でしたが、今回は北海道へのクーデター侵攻云々とか、北海道へ渡る旅のロマンみたいなモノがしっかりと綴られ、何より主人公「桐沢」と謎の男「尾形」、旅を続ける少年との不思議な三角関係がとにかく魅力的です。ハードボイルドでありながら、一級ミステリーであり、何よりヒューマンドラマ、そして少年の成長を瑞々しく描写している本作は素晴らしい作品だというコトですね。2022/06/25

chiru

97
自転車で青森を目指す主人公が、ささいな偶然から陰謀に巻き込まれてしまうロードアクション。 読み手は、何もしらない主人公の代わりにハラハラしながら一緒に物語を追うことに。 道中で知り合う高校中退のヒッチハイカー少年との交流や、敵側の奪還者との一進一退の心理的な駆け引きが緊張を帯び、ラストまで飽きさせない。 最後に残った三者三様のドロップアウターたちの、何物にも代えがたい信念と友情がとても魅力的でした。 ★52018/07/25

はつばあば

67
この作者さんはホント、男を魅了させる術をご存知だ。自転車で東京から青森まで行く桐沢。三白眼の倉田。ヒッチハイクの少年。人生というのはこの年になってほんまに一瞬で過ぎ去ってきたなぁとしみじみ思う。悩み多き少年よグチグチ泣き言を言ってないで独り世間に出よ!3年寝太郎じゃないがそれくらいの道草などたいしたことない。親にしがみつくな、親から自立せよ!。とハッパをかけてくれます。男ばかりがこの本を愛読書なんて勿体ない。私も愛読書に。無責任ではありますがこの本のレビューはきゃりさんが素晴らしい文章を披露して下さるはず2017/08/03

Tetchy

49
自転車旅行を題材にしたロードノベル。作者が行った東京~青森間自転車走破の実体験に基づいているらしい。つまり桐沢=作者というわけだ。読んでいて非常に気持ちがいい。暑さに汗を滴らせ、坂道を苦行僧のように身体を苛めながら一心不乱に登り、体を切る風を感じるかのようだ。とにかく何度も涙が出そうになった。それは自分の力のみで成しうる旅への羨望もそうだろう。適わないことだが、私もいつかこのような旅をしたい。いや旅ではない、冒険なのだ。かつて子供の頃、眼前に広っていた未知の世界へ乗り出す、あの面白さ、それがここにある。2010/01/24

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