内容説明
鬱屈した大学生活を送る雅也は、連続殺人犯の大和から冤罪の証明を頼まれる。戸惑いつつ調査する雅也が辿りついた驚愕の真実とは。『チェインドッグ』改題文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よむヨム@book
484
★★★★☆ 星4つ 映画を観て、興味を持ち原作を読んでみた。 映画と原作では、榛村大和と筧井雅也の印象が違った。 特に、榛村大和は阿部サダヲさんの名演のせいか、映画の方が残虐で怖く気持ち悪さを凄く感じた。 冒頭で、キェルケゴールの言葉で「絶望とは死にいたる病である。」と記述されているが、櫛木理宇さんは、榛村大和にとって『死刑にいたる病』は何なのか? 私は、プロローグに書いてある『孤独』ではないかと解釈した。 また、少し時間をあけて、映画とこの本を再観賞、再読したい。2022/10/24
しゅら
413
第1章から主人公雅也が鬱屈しすぎて胸糞悪い。第2章から惹き付けられて一気だが、暴行して殺人、虐待や生育歴がエグくて気持ち悪くて悲しくて、険しい顔で読み進む。連続殺人鬼榛村が紳士的で人に好かれることや計算高すぎてどこまで本当なのかとか、気持ち悪いしゾワッと寒気がする。確かに生い立ちが粗悪だとこんな心理になるだろうが⋯なんか救いはないのか。「「不幸な生まれなら、人殺しになってもいいんですか?違うでしょ。孤児だろうと施設育ちだろうと、犯罪とは無縁に立派に生きてる子たちが世の中にはたくさんいるんです。(略)」」2021/06/21
茜
411
シリアルキラーというのはどうしてこうも人の興味を惹きつけるのだろう?あまり良い考え方ではないけれど、多分それは人という禁忌を破った者への未知への憧憬に似たような気持ちがもしかしたらあるのかもしれない。雅也は知らず知らずのうちに榛村大和に影響を受けてしまうのも、そう考えたなら納得出来るのではないだろうか?「嘘をつくときは、九割方真実を話すのがいい。残りの一割だけで嘘をつくのがこつだよ」と、これは大和の言葉だけどなるほどなと納得してしまった。2021/11/14
あきら
401
展開が読めなさすぎて、かなり終盤まで結末がまったく予想できなかった。いつの間にか脳が支配されたように、物語にどっぷり浸かります。 羊たちの沈黙のレクター博士を思い出しました。 とても面白かったけど、これは後味悪いな。 2022/02/24
貴
323
人間の狂気について考えました。殺戮を正当化して繰り返す許すことのできないことですが今日も独裁者は多人数をむごたらしく殺す、悲しむことしかできない。2022/10/16
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