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内容説明
爆買い、おカネの亡者、パクリ天国――。こんな「中国人」像はもう古い!?
日本のそれを遙かに超えるスピードで激変する中国社会。街中ではシェア自転車が走りまわり、現金を持つ人・使う人もめっきり少なくなった。
中国、そして中国社会の何が成熟し、また旧態依然のまま停滞するのはどんな部分なのか。数カ月単位で変貌する中国最新事情を豊富なエピソードから紹介する。
「中国でも人気の『半沢直樹』から、彼らは何を学んでいるのか」「レンタル彼女と帰省し、実家の親を安心させようとする」「シェア自転車にいたずらすると、なぜか婚活に悪影響!?」……。本書で示される、数多くの興味深い事例を読めば、中国に暮らす人々の等身大の姿がくっきり浮かび上がる。
彼らの思考、行動様式を知れば、日本に住む私たちと同じ希望、不安、苦悩を持つことが理解できる。いまの中国、そしてこれからの中国の行方を見すえる上で必読の良質なルポルタージュである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
このような本を読むと本当にテレビやウェブ上の情報というのは、視聴率を稼ぐためにかなり脚色しているあるいは視聴者が喜びそうな部分だけをピックアップしているといわざるを得なくなります。やはりこの著者は中国語がかなりできるようで、そのような人が多くいれば、中国人に対するイメージも変わっていくのでしょうが。私はキャッシュレスが他の国で進んでいるのは(あるいは日本が進まないのは)、ここにも書かれているように紙幣などのレベルがかなり違うことと、一挙に技術が進んでしまったということなどがあると思います。2019/01/10
えちぜんや よーた
97
この本を読むと日本でキャッシュレス決済がなかなか進まない理由が分かるようになる。中国と比べて日本では現金がありがたすぎるのだ、物理的に。日本でキャッシャレス決済を普及させたかったら日銀の発券局や財務省の造幣局で大リストラを行ない、古くて汚い紙幣や貨幣を容易に回収されにくい仕組みにすれば良い。もしくは紙幣を新しく発行するときは海水で揉んで天日に晒してから市中に流通させる。貨幣で使う金属は腐食しやすくて重い鉄などがおすすめ。2018/10/26
Willie the Wildcat
70
正に「リープフロッグ現象」。経済の成長はもちろんだが、政治体制と国民性が、強固な土台を築き上げる。信用と合理性。文字にするとシンプルだが、それぞれ複数の文化・社会的特徴を暗喩。特に後者は、弱者・格差救済の一助となる一面と、流行を意識しない”日常”の変化から精神的な豊かさを追及する一面が印象的。著者の〆にも共感。上述の現象も功罪両面で影響し、先入観はもれなく目を曇らせる。文化は違えど、人として持つ心底の欲求は同じはず。故に”等身大”ですね。2018/06/18
seki
38
中島氏による中国社会の最新事情のルポ。今、中国ではスマホが爆発的に普及し、小さな屋台やレストランで払うチップまでもがスマホによる決済だという。日本ではここまでどころか、まだ現金が主流。これは日本と中国、どちらが「進んでいる」というのではなく、これまで中国は貧しく、インフラが進んでいなかったが、カエル飛びのように経済が豊かになったことによる独特の現象だと筆者は分析する。他にもSNSの普及で中国人の行動マナーが変わってきたとか。中国に対するイメージが変わる一冊。今、日本はこの隣国に見習う点が多いように思う。2019/12/07
白玉あずき
32
最近中国では、物乞いさんまでが現金を欲しがらずにチャージしてくれとカードを差し出すのだ、と夫に聞いて(多分友人の受け売り)興味津々で購入。黒竜江省から毎年受け入れている研修生さんもここ2、3年はすっかり変わってしまって、自前のPCやらアプリ満載のスマホを持参し余裕のオーラを醸している。本当にキャッチアップって早いなあと驚くばかり。「民度」は国力と経済力次第。日本人と同じ様に、それぞれ問題もある環境の中で必死に生きてるのは一緒。農村戸籍と都市戸籍の格差、差別の解消はできるのだろうか。大きな国土に大きな格差。2017/11/25