内容説明
「小説家の「幸福」」をめぐる考察、デイジーの刺繍をしたブラウス、岡上淑子によるフォト・コラージュ作品、謎めいた宿命の女、胡同(フートン)に咲き乱れるジャスミンの香り、金粉ショーのダンサーとの狂乱の恋、そして「塊」と「魂」。無数の映像や小説、夢や記憶の断片が繊細に絡み合い紡がれ、ここに前代未聞の物語が誕生した!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
126
タイトルと装丁に魅かれて読みました。金井美恵子、初読です。若い作家かと思ったら、作家デビュー50年記念作品、大御所の女流作家でした。小説ともエッセイとも言えない散文的なスタイル、著者の博識を感じさせる独特の世界観です。女、澁澤龍彦のような気もします。私は嫌いではないですが、あまり売れないと思うので、売れない本書の在庫が燃やされてしまうかも知れません。2017/07/24
コットン
68
縦横無尽にインスパイアされる国内外の文学・映画などの関連する他方面に渡る断片の数々やコラージュにより成り立っているエッセイ本。2022/12/17
mii22.
50
この本のなかには、心をくすぐられる言葉がいっぱい詰まっている。ストーリーを追うと言うより、懐かしい記憶の断片や宝箱のなかの大好きだったものたちを見つけて楽しむような感じだ。時にはキュンとなったり、とろ~りとなったり、とにかく読んでいて気持ちいいのだ。ちょっと昔のファッションや映画や日常の風景に子供の頃持っていたお洒落な大人への憧憬を思い出した。それにしても甘美でチャーミングな文章だこと。 2017/07/24
燃えつきた棒
40
読んでいると、文体を強く意識する小説だ。 この文体はどこかで読んだような気がする。 文中に幾つもの挿入句が差しこまれ、脱線に次ぐ脱線の連続で、何処にどうやって着地するのか見当のつかない息の長い文体。 そうだヌーヴォー・ロマンだ。 金井美恵子をググってみると、《ヌーヴォー・ロマンの影響を感じさせる、独特の長大なセンテンスを持った文体》(Wikipedia)とある。 だが、ヌーヴォー・ロマンと一口に言っても、ロブ=グリエもいれば、ミシェル・ビュトールもいるし、ナタリー・サロートやクロード・シモンだっている。2023/12/12
藤月はな(灯れ松明の火)
40
文学作品と小説的世界、作者の日常、更には挿入されているコラージュ絵が入り混じり、奇妙奇天烈且つ珍妙な世界観を醸し出している短編小説的徒然エッセー。元ネタである『カストロの尼』は読んでいないけど、それを文字った『カストロの尻』が真逆、こんな内容だったとは(笑)『007 ゴールデン・フィンガー』へのツッコミには思わず、笑っちゃいました。2017/07/01
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