講談社選書メチエ<br> 享徳の乱 中世東国の「三十年戦争」

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講談社選書メチエ
享徳の乱 中世東国の「三十年戦争」

  • 著者名:峰岸純夫【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 講談社(2017/10発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062586641

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内容説明

戦国時代は「応仁・文明の乱」より13年早く、関東から始まった――。 享徳3年(1454)、古河公方と上杉氏の対立に始まる仁義なき抗争。以降30年近くにわたる戦乱を著者は、「享徳の乱」と称すべきと学界に提唱した。本書はこの用語をメインタイトルとし、「戦国時代の開始=応仁の乱」という根強い「国民的常識」を正さんとする著者年来の宿願である。

目次

はじめに 教科書に載ってはいるけれど……
第一章 管領誅殺
第二章 利根川を境に
第三章 応仁・文明の乱と関東
第四章 都鄙合体
むすびに 「戦国」の展開、地域の再編
参考文献
あとがき
関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

39
新年一冊目はこの本を選んだ。応仁の乱に先立つこの戦乱を40年前に「享徳の乱」と名づけ追いかけてきた歴史家が、その研究を組みなおして初学者向けに解説する。応仁の乱、観応の擾乱ときて関東へ、『杉山城の時代』の一時代前、わかりやすさを追いすぎない実直さがちゃんと本になる、いいご時世やん。フェイクやヘイトや某会議に踊らない日本。◇関西人の自分にとって関東のこの戦乱は未知の世界。武士たちの土地や民との縁の結び方もまた関西とは異なっている。でも確かに、校正を担ったという奥さんの「迷惑だ」というつぶやき、その通りだな。2018/01/05

スー

24
152結城合戦のその後の関東。享徳の乱は結城合戦の復讐で始まり再び関東公方と関東管領(幕府)が対立し関東を二分する長い戦乱に突入していく。しかも戦乱は関東に止まらず周辺諸国を巻き込み下剋上や分裂を生み公方も親子対立をするし関東管領側の上杉も分裂対立しそこを伊勢新九郎が掻き回すと読んでいて面白いけど戦いの終わらなさに呆れてしまう。戦国は関東から始まったは納得2020/11/05

aloha0307

22
本書に出会えて望外の喜び 暗黒の期間:南北朝合一から応仁の乱 までがスッキリ繋がったのだから。関東の享徳の乱(この用語は己の高校時代にはなかったのでは?)が戦国時代の始まりで応仁の乱(享徳の乱が波及して勃発)より13年早い。室町幕府は中央集権とはとても言えず、鎌倉府が独自の利権を保持した。鎌倉公方/古河公方/堀越公方の違いは明瞭に理解できました。上杉氏(長尾氏)の分家の複雑さはかなりのもの…そして、あの謙信へ...利害により、領主兄弟・親戚でも刃(それぞれの家臣団も) この時代も例外ではありませんでした。2018/02/03

さとうしん

19
応仁・文明の乱を引き起こすきっかけとなり、「戦国」のはじまりとなったと位置づけられる享徳の乱の過程を追う。その享徳の乱も、西国を押さえる室町幕府と東国を押さえる鎌倉府との二元統治体制のひずみによってもたらされたものだが、幕府側も鎌倉府側も両者対立しながら、「兄の国」と「弟の国」との二元体制自体を精算しようとしなかったのは面白い。全国一元統治は中世から近世へと脱皮する課題だったということになるだろうか。2017/10/14

組織液

17
関東戦国史忘れかけてたんで再読() 自分あんまり再読しないんですけどこれはもう3回くらいは読みましたかね… ただ戦闘の経緯、経過を書くだけでなく、気候変動から義政の文書、当時の民衆まで網羅しているのに、簡潔にまとまっていて非常にわかりやすいです。「戦国領主」という考えは色々参考になりました。黒田先生の『図説 享徳の乱』も早めに読んでおきたい…2021/05/26

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