オブリヴィオン

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オブリヴィオン

  • 著者名:遠田潤子
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 光文社(2017/10発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334911874

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内容説明

森二のうらぶれた部屋を突然訪れた『娘』冬香の言葉が彼を突き刺した――「私、あの夜のこと、憶えているんです。あなたは私の眼の前でお母さんを殺しました」。森二の「奇跡」と「罪」が事件を呼び寄せ、人々と森二を結び、縛りつける。更に暴走する憎悪と欲望が、彼の心と身体に、愛する人に襲いかかる! 森二は苦しみを越えて「奇跡」を起こせるのか!? 『雪の鉄樹』でブレイクした著者の哀切と感動が弾ける傑作長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

350
『本の雑誌』2017年第一位ということで、読みました。遠田潤子、初読です。370P超、一気読みしました。昭和の赤いシリーズもしくは女新堂冬樹といった感じです。アルゼンチンタンゴ、バンドネオン、ピアソラは好きなので楽しめました。但し、本作は年間No.1レベルの作品ではありません。せいぜいBEST20候補レベルではないでしょうか? https://www.youtube.com/watch?v=9KvKvkD5zGk2017/12/25

しんたろー

289
遠田さん2冊目。『雪の鉄樹』もそうだったが、主人公が「精神的なマゾ?」と思う程、自分を責める責める…なので「君は悪くないよ」と思わされて共感する…作者の計算かも知れない。主要の男たちが各々に大きな心の傷を負っているのが伝わってきて苦しいが、沙羅の健気さや強かさが読者にも救いになっている。過去の事件を謎として引っ張って行くストーリーラインと重さを伴った静謐さは、遠田ワールドと言えるものなのだろう。このクセの強さは鮒ずしやクサヤのように好みが分かれるタイプ…決して嫌いではないが、続けてはチョッと辛いかな。2018/03/01

takaC

224
なんか凄かった。いつかの『本の雑誌』で紹介されていたのが気を引かれたきっかけだったと思うが、こういう内容だとは読み始めてから知った。最後の方に生駒の十三峠が出てきたときにはちょっとにやけてしまった。2018/04/18

utinopoti27

217
忘れ去れ!赦しを請え!来し方の過ちに苦しむ者たちの耳元で囁き続けるようなオブリヴィオンの旋律。犯した罪の重さに耐え切れず、自らを卑下し、傷つけることでしか現実逃避の手段を持たない森二ですが、かえって周囲の者たちに厄災を振り撒くことになってしまいます。抗いきれない血脈の系譜と怨讐の果てに、彼が見た淡い光の正体がラストで示唆された時の衝撃は、暫く尾を引くかもしれません。ある著名評者をして「2017年はこの本を読むためにあった年」とまで言わしめた作者渾身の作品、まさにどんな賛辞も陳腐に聞こえるほどの傑作でした。2018/04/01

タイ子

199
ふぅ~、遠田ワールドにずっぽりハマって読後に一息。いつものパターンですな。妻を殺して服役後、出所した男の元にヤクザ稼業の兄と元妻の義兄が待っている。男はなぜ妻を殺さねばならなかったのか?義兄との因縁は?服役後の就職の難しさの中でやり直そうとする男に周りがほおっておかない。幸せだった過去ゆえ自分の犯罪が赦されない、男が放つある能力で少年時代に父親から受けた過去の出来事。切れない過去と現在の狭間の中で苦しむ男に突き付けられた真実。終盤までそんなバカな!救いを求めて読んでいく手が止まらない。今回もハマった!2018/03/10

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