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内容説明
私たちが苦しみから離れることができないのは、欲望のままにものを追いかけ続ける心のあり方に原因がある。では心を変えるにはどうすればよいか――伝統仏教が説いてきたその教えの全体像を空海が簡明に示したのが「十住心」である。『般若心経』や『法華経』『華厳経』、倶舎や唯識、中観などの教えの伝統的な意味と相互関係、苦しみを滅する実践における役割などを、空海の著『秘蔵宝鑰』『十住心論』から明らかにする。本当の仏教の全体像を描き出す、画期的な仏教入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
35
空海の『十住心論』と『秘蔵宝鑰』がテクストとなっているが、そもそも啓典宗教ではないので、カノンは無いという考え方でテクストを読む。空海の教え自体を論じているのではなく、その背景となっている仏教の考え方を論じる。そのことで、仏教全体のパースペクティヴがみえてくるようだ。例えば第8住心では『法華経』の中身を論じるよりも、『法華経』のどこに本文が書いてあるのか分からないという感触に照準するように、近代的な学問知に異議を差し挿むことが、本書のもう一つの狙いのようだ。2023/07/09
to boy
26
空海を主体にして仏教の本来の姿を記述しています。西洋仏教学を受け入れた明治以降の誤った解釈を正そうと丁寧に解説されています。密教の灌頂を受けるまでに十住心(十のステップ)を学び心の苦しみを解いていく仏教の概要がなんとなく理解できたような気がします。2017/11/23
西
24
仏教に興味が出てきて、はじめてウチが真言宗であることを知ったことから空海の本を読みたくなってこの本を。なかなか理解するのは難しかった。仏教を理解するのには段階を踏んでいかないといけない十住心という教えそのものが印象的だった2017/11/26
テツ
20
空海による仏教の指南書『十住心論』『秘蔵宝鑰』を解説。ここ数十年の世界で(日本もね)起きた様々ないざこざのせいで勘違いされがちだけれど、宗教とは本来胡散臭いモノではない。人間は生きる上で必ず悩み苦しむ。それを救済するための、人を苦しみから解き放つためのありがたいシステム。ぼくたち世俗に生きる野蛮人たちには、人を救済するためのお坊様たちの修行自体は縁遠いシロモノだけれど、こうした世界の在り方が存在するということは心に留めておくといいのかもしれない。2020/04/18
かんがく
15
空海が仏教の解説のために書いた『十住心論』と『秘蔵宝鑰』を題材に仏教の教えを見ていく。仏教の教えは病気に対する薬のように、相手によって大きく変わる。経典も多数あり、他宗教の教えも取り込む。体系的な理解が難しいと思っていたが、そもそも体系的に理解するものではないのだ。もう少し仏教入門書は何冊か読みたい。2020/01/18
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