文春新書<br> 知立国家 イスラエル

個数:1
紙書籍版価格
¥946
  • 電子書籍
  • Reader

文春新書
知立国家 イスラエル

  • 著者名:米山伸郎
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2017/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611430

ファイル: /

内容説明

唯一の目的は「生存」、最強の武器は「頭脳」
軍事が生み出す驚異の最先端テクノロジー、超エリート選抜教育、「知」の最強国家イスラエルの真実に迫る!

イスラエルと聞くと、一般的な日本人は「パレスチナ問題」「紛争」などを想起し、明るいイメージを持っていないかもしれない。
だが、じつは私たちの周囲には「イスラエル」が溢れている。あなたが使用しているパソコンのCPUがインテル製であれば、その8割以上はイスラエルで開発されたものである。スマホでグーグル検索をすると、文字をいくつか入力しただけで、候補がプルダウンのように表示される。これはイスラエルにあるグーグルの研究所で開発された「グーグル・サジェスト」という機能である。同じくグーグルの「ページ分析」、ユーチューブの「ライブリザルツ」なども、イスラエルで開発されたものである。そのパソコンを外部侵入者から守ってくれる「ファイアーウォール」を開発したのもイスラエルのハイテクベンチャーである。
このほかにも、ドローン、監視カメラが不審人物を自動的に検出する人工知能フィルター、小型胃カメラ、チョコレートの「マックスブレナー」、死海のミネラルを使用した化粧品やアンチエイジング技術、ダイヤモンドの研磨技術、砂漠の灌漑技術など、イスラエルから生まれたものは非常に多い。
イスラエルは国民1人あたりでみると、ノーベル賞受賞者数、博士号保有者数、教育費、特許数、ベンチャー起業数、研究開発費(対GDP比)などで、世界トップクラスである。

冷戦後の経済成長率(1991年~2015年までの実質成長率)では、イスラエル(174%)は日本(20・5%)を大きく凌駕している。しかも、イスラエルは第2次産業のGDP比が日本よりも高い。イスラエルは「ものつくり」を含めた実体経済で急成長を遂げているのだ。
なぜイスラエルはこれほどの急成長を遂げたのか? その背景には、ロシアや東欧から高学歴移民を受け入れたことや、イスラエル軍が数理系の才能をもつ若者を選抜する超エリートプログラム「タルピオット」「8200部隊」の存在がある。また、イスラエル社会には「失敗を恐れない精神」、ユダヤ人の伝統である「どんな権威にも遠慮せず、自由な議論を尽くす慣習」、そして世界各国からの移民がもたらす「パイオニア精神」がある。
著者は総合商社時代から、ビジネスを通じて多くのイスラエル人と親交を深めてきた。徹底的な現地リポートから、イスラエルの強さの秘密を探る。

【目次】
はじめに イスラエル急成長の秘密を探る
第1章 爆発するイノベーション
第2章 移民がもたらす「頭脳」と「多様性」
第3章 世界最強 イスラエル軍の超エリート教育
第4章 「失敗を恐れない」教育と知的執着
第5章 イスラエル・エコシステムと日本の協働
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本

109
何かと話題を集めるイスラエルについて、普段は断片的にニュースで知る程度だったが本書で具体的なお国柄や住んでいる人達の特徴を知る事ができた。日本も厄介な隣国は多いものの、イスラエルのそれと比べるとやはり切実さが違う。移民、国防、人々の意識など日本とは根本的に考え方が異なるイスラエル。後半では問題点や弱点なども書かれており、バランスよくイスラエルを知れる一冊。2020/06/14

えちぜんや よーた

101
折しも日大アメフト部危険タックル事件のさなかに読んだ。軍隊なのに疑問に感じたことは躊躇なく上官に命令の意図を聞くイスラエル人。スポーツなのに疑問を感じても監督・コーチに指示の意図を聞くことすら憚られる日本人。どちらが軍隊なのか分からなくなった。ユダヤ人に関しては旧約聖書や歴史上様々な迫害を受けてきたと言う断片的な知識しかない。ただ理不尽な目に合っても決して屈することなく、「生き残り」を至上命題にしてきたイスラエルの国民性。日本人も同じことをやってできないとは言えないが、2000年ぐらいはかかるんだろうな。2018/05/23

kawa

40
馴染のない国イスラエル。欧米では、最近ICTやバイオ、医薬品関連などハイテク分野の躍進で注目されていると言う。本書はそんな国の今をレポート(17年刊)。教育制度が興味深い。18歳で3年の兵役(女性は2年弱)を通じて個々の才能と自立心を養い、除隊後、多くの若者はアルバイトでお金を貯め半年から1年の海外見分の旅に出る。そして旅で得た問題意識を踏まえて大学(23歳前後の入学)で学ぶという。2021/05/05

活字スキー

28
1948年に建国された現在のイスラエルは、国土面積でも人口でもGDPでも小さな国であるが、その存在感、世界への影響力は決して小さなものではない。はるかな古代より世界に散らばりさ迷い続けてきたユダヤ民族、その「生存」にかける執念の凄まじさよ。情け容赦の無い混沌世界を生き抜く為に、利用できるものはとことん利用する。それはつまり、国家(民族)レベルで人を育て活かすための戦略を徹底的に練り上げること。智は力なり! 2019/03/18

Tenouji

27
イスラエルのビジネスの動向をリアルに感じれる内容。しかし、イノベーションやソリューション能力は高いけど、実務能力の完璧さが今一つ、というのがいいw。確かに、日本と組むと面白いコンビになれそうだ。真逆なだけに、双方、学ぶべきところがあると。ネットワーク化を見習おう、というのは、特に賛成!2019/03/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12358267
  • ご注意事項

最近チェックした商品