内容説明
満開の桜の下の墓地で行き倒れたひとりの天使――。昏い時代の波に抗い鮮烈な愛の記憶を胸に、王寺ミチルは聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す。愛と憎しみを孕む魂の長い旅路を描く恋愛小説の金字塔!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yokki
12
「猫背の王子」「天使の骨」に続き3作品目。 完結編。 ミチルさんにどハマりして、2日で読み終えてしまった。 同性愛を感じられた、ナチス政権のような偏った独裁政治をしているという、別次元の日本のお話。 30代になってもミチルさんは皆から愛され、助けられ、死にたいと思っても死に切れず、もがきながら人生を歩んでいく。 人間、切っても切れない縁というものがあるのかな。 悲しい辛い部分もあったけれど、読んでよかった、すごく面白い作品でした…!2018/03/27
せら
9
完結編から読んでしまいました。前作を読んでなくても楽しめました。シリーズ最初から読みたいです。2018/04/26
ゆいまある
9
同性愛が禁じられた近未来。主人公は芝居の天才。女性は誰しも彼女に惚れる(バンコランみたい)。秘密警察を避けて、歩き遍路に化けて四国を巡礼(これを四国で読む幸せ)。しかし収容所に入れられてしまい、そこで運命の出会いが。最後は独裁政権に抗う戦いに巻き込まれる。狂気のような愛のために。自己愛の強い設定なんだけど、正直で澄んだ文章に強く胸を打たれる。豪華絢爛な舞台の世界や、タンゴに酔ううちにあっという間に読み終えた。やはり中山可穂作品は全て買って読むと決めた。2018/01/17
蓮華
8
中山さんの小説を読む時には、それなりの覚悟が必要だと思う。物語はまるで自分事のように思え、胸が重くなる。涙が溢れる。しかし私は、自らその状況を欲してしまう。今回の作品では、それらが特に顕著に現れた気がする。どうしても現世と切り離して捉えることができなかったからだろうか。ミチルさんのことをもう、愛せずにはいられない。そして私はやはり、中山さんを尊敬しているし愛しているとあらためて感じた。彼女の実直さや強さ、命を捧げてまでして書いているかのような熱量。血のかよった文章。中山さんが小説家で本当に良かった。2022/09/01
Ciel
8
ラストは何だかあっけなかった気がする。全2作については、忘れているのがほとんどだったので、これが初めてという気持ちで読むことができた。それでも、面白いというか惹かれる。こんな日本になって欲しくない。文学の世界だけじゃなく現代でも当たり前に思われる世の中になって欲しいと願う。 ミチルは愛の国に行けているといいな。2016/09/15
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