内容説明
どんな田舎にも、どんなにさびれた商店街にも、必ず存在する食品サンプル。「見るメニュー」としてすっかり定着し、スパゲティを絡めたフォークが宙を浮いていても、日本人は不思議には思わない。世界中の誰も発想できなかったこの日本独自のメディアは、いったいいつ、なぜ生まれたのだろうか。その謎に迫った唯一の研究を文庫化。リーディングカンパニー「いわさきグループ」の協力を得て、製造工程もカラー口絵で細かく再現する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
87
食品サンプルについて今まで本になったものはほとんどなかったと思う。この本は食品サンプルが作られ始めた草創期と関係者のこと。定義や日本の飲食店におけるメニューについてなど食品サンプルのことがとても丁寧に書かれている。日本でそれが生まれ普及した背景には日本の食文化や生活があることを知った。巻頭ではカラーで制作の様子が紹介されており楽しめた。以前から読みたかった本図書館で取り寄せてもらい正解。2017/09/03
佐島楓
66
新聞の書評に載っていたので取り寄せる。模型が好きで食品サンプルが好きな子どもだった私にはとても嬉しい本だった。食品サンプルの歴史そのものが現代(戦前くらいから)の食文化の歴史、デパートの大食堂の歴史になっているという楽しさ。懐かしい。サンプルの作り方も詳しく載っている。テレビで見たことがあるけれど、製作体験できるんですよね。2017/08/10
ホークス
48
食品サンプル探究本。前半の誕生物語は、記録と証人探し、ユニークな推理に引き込まれる。百貨店の大食堂が採用した食券制と食品サンプルの意外な関係性にアッと驚いた。大正から昭和初期の若い職人たちの熱気も伝わってくる。食品サンプルはロボットだ、という説も面白い。店頭で饅頭などを作る機械を、日本人は感心して見ている。人工物を評価する独特のメンタリティーが食品サンプル文化につながったという。欧米にはイマイチ馴染まないが、中国韓国には馴染むのも不思議。口絵の見事なテクニックと作品群、職人たちのサンプル話も楽しい。2020/09/10
りり
43
食品サンプルに関しての本って初めて見たな、と思い読んでみました。毎日、お店の前で見てる食品サンプルの歴史は長い!これを発明したことは素晴らしいと思う。この本を読んだら、ショーケースに並んでる食品サンプルの見方が変わります。2017/11/06
阿部義彦
31
ちくま文庫今月の新刊「天ぷらにソースをかけますか」の著者の過去の代表作です。B級グルメライターを自称するだけに、食べ物に対する興味と、余り余人がとりあげない、ニッチな事に関する興味が爆発の本書です。食品サンプルを最初に置いた百貨店は白木屋であると突き詰めています。沢山の人をさばくために食券制を導入するにあたり、成る可く素早くメニューを決めて貰う為に、廊下を利用して陳列したのが需要の始まりという所まで調べています。読み物としても面白く食品サンプル会社の協力も得て貴重な資料とも言えます。 2018/07/21
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