筑摩選書<br> 帝国軍人の弁明 ──エリート軍人の自伝・回想録を読む

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筑摩選書
帝国軍人の弁明 ──エリート軍人の自伝・回想録を読む

  • 著者名:保阪正康【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 筑摩書房(2017/10発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480016546

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内容説明

昭和の戦争を経験した陸軍軍人たちが書き残した書物は数多い。そこには開戦から終戦に至るまでの生々しい経緯、帝国陸軍内の空気、さらには戦後思想への評価など、当事者でしか描きえない貴重な証言の数々が見出される。石原莞爾、瀬島龍三、堀栄三、田中隆吉、遠藤三郎等々の著作を取りあげ、書き手の政治的立場や帝国陸軍内での地位、見識と教養、さらには語り手としての誠実さを見極めながら、第一級の昭和史資料を読み解く試み。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

28
著者によると相当な数の帝国軍人が手記や自叙伝を残しているという。ここに取り上げられたものは、それらの中で比較的「良質」なものなんだろうなと思って読んだ。それでも驚くべきは人が「死ぬ」ことへのあまりの淡泊さ。兵士や例えば戦場近くにいる人の顔が見えてこない。もちろん作戦司令部などにいれば当然かも知れないが、前線経験のあるものでも同じ。あと、著者の指摘で知ったが、アジア太平洋戦争の頃の日本の軍人が、一部の例外を除いて文学や哲学などを学んでいなかったということ。人を知らずして戦争をすることが如何に愚かなことか。2018/06/10

CTC

15
7月の筑摩選書新刊。PR誌『ちくま』に連載されたテキストが元という。なるほど、著者の本をある程度読んでおれば、ここには新しい話は殆どない(取材対象全般が物故しているのだから仕方ないが、最近は…)。そしてあとがきに『戦場体験者 沈黙の記録』という、下級戦士の姿を紹介した15年7月同社刊の本と「対をなす」旨記述がある。ならばなぜ本書は選書で、一方は単行本なのか、理解に苦しむ(筑摩書房の商魂にはこれまでも度々辟易して来たけれども)。ま、単冊で行くには内容がないし、ちくま新書でもちくま文庫でもないのは判るんだが。2017/10/02

樋口佳之

13
石原莞爾、瀬島龍三が含まれていたので読んでみましたが、取り上げられている軍人が多すぎる感。本にする時にもっと絞って加筆された方がありがたかった。2017/09/19

蜻蛉切

13
著者の作品では以前に「陸軍良識派の研究」(みたいなタイトルだった筈)を読んだことがある。 本作もその系譜である。 内容的には、ブックガイド的な一冊といってよいかなとの感想。 興味を持てれば、紹介されている軍人の自伝や評伝等々で深めていくのが良いだろう。(この本だけでは完結することはないので) 堀栄三氏の「大本営参謀の情報戦記」などは、文庫でも出ているし、内容も読みやすいのでおススメ。 戦史モノはどうしても海軍に偏りがちだが、陸軍に関するモノも興味深いし、それを知れば視点も変わってくるかもである。2017/07/25

hitotak

10
皆陸軍幼年学校や士官学校に進んだ純粋培養のエリート軍人たち。その中でも優秀な成績を収めた者は参謀部へ配属される。士官学校で優秀な成績を収めるという事は、教科書通りの受け答えと、教官の覚えがめでたいという事。この視野が狭い、陸軍至上主義者達が戦争作戦を立案・遂行していくのだから赤紙で引っ張られた一兵卒たちはたまらない。ここで紹介されるエリート軍人達の回想録には、戦場で死んでいった大勢の兵士たちへの贖罪や自らを咎める感情がびっくりするほど感じられない。あるのは表題にある通り弁明ばかりで情けなくなる。2017/09/10

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