光文社新書<br> 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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光文社新書
労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

  • 著者名:ブレイディみかこ
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 光文社(2017/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334043186

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内容説明

2016年の英国EU離脱派の勝利。海外では「下層に広がる排外主義の現れ」とされたが、英国国内では「1945年以来のピープル(労働者階級)の革命」との声も多かった。世界で最初に産業革命、労働運動が起きたイギリスでは労働者こそが民主主義を守ってきた。ブレグジットは、グローバル主義と緊縮財政でアウトサイダーにされた彼らが投じた怒りの礫だったのだ――。英国在住の注目の著者がど真ん中から現状と歴史を伝える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

327
2016年のブレグジット(イギリスのEU離脱)の分析にはじまり、その後のイギリスを考える試み。そしてロンドンのイーストエンド(典型的な労働者の町)の人たちの生の声を聞くことで、追跡調査を行っている。さらには、1910年(ヴァージニア・ウルフの言う歴史的な転換点の年)から現代までの労働運動と政治史を振り返ることで、今後の展望を語る。実に綿密な考察であり、そこでは民主主義とマスコミの虚妄が暴かれる。しかも、それはひとえにイギリスの問題ではなく、日本も含めた現代世界の、すなわち我々自身の問題である。2024/06/01

ひろき@巨人の肩

110
英国社会から見たブレグジットの真相について、米国ポピュリズムとの対比、英国労働者へのインタビュー、英国の労働者階級の近代史など複眼的に分析。社会の変化を正しく理解するためには多面的に検討することが大切だと実感。ブロークン・ブリテンに象徴される英国凋落。その中で文化・経済の屋台骨であった白人労働者階級が分断・疎外され、緊縮政策下のEU移民受け入れが死活問題となった。一方で、EU離脱を選択した労働者階級は、悲観も楽観もせずに、英国が再浮上するチャンスと捉えていることに、民主主義が成熟した英国の強さを見た。2022/08/27

佐島楓

88
なぜイギリス国民はEU離脱を選択したのか、という疑問が長い間あった。しかし本書を読んで労働者階級がどういうメンタリティーでいまのイギリスを生きているのかは理解できた(それでもまだ非合理的な選択に思えて仕方ないのだが)。日本もこれから移民問題に直面するのだろう。他人事ではなくなっていく。2020/01/18

ずっきん

72
『ワイルドサイドをほっつき歩け』がニマニマと面白かったので。ワイルド〜の真面目バージョンというところ。切り口が非常に面白く、その層にいる『移民』としての臨場感がとてもいい。2020/11/23

読書ニスタ

71
英国は王家や貴族の国で、エリザベス女王時代から交易や金融でぼろ儲けし、福祉も需実かと思っていたが、一般市民=支配階層にない搾取される人たちは、生活苦からブレグジットを選ぶしか変化を掴めないところまで追い詰められていることが、わかった。支配層=搾取側は、どっちに転んでも、資産は守られているだろう。本書は2極のうちの労働者側の実情を描いたものだ。国民は政治に興味を持っているが、金の匂いはまったくしない。人間らしい生活がしたいという労働者の主張はわかる。支配層を崩す上下の問題で、左右の問題ではない。2019/06/02

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