街場の天皇論

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街場の天皇論

  • 著者名:内田樹【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 東洋経済新報社(2017/10発売)
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  • ISBN:9784492223789

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内容説明

ぼくはいかにして天皇主義者になったのか。
立憲デモクラシーとの共生を考える待望のウチダ流天皇論。

【ウチダ流「天皇論」の見立て】
◆天皇の「象徴的行為」とは死者たち、傷ついた人たちと「共苦すること」である。
◆「今」の天皇制システムの存在は政権の暴走を抑止し、国民を統合する貴重な機能を果たしている。
◆国家には、宗教や文化を歴史的に継承する超越的で霊的な「中心」がある。日本の場合、それは天皇である。
◆安倍首相が背負っている死者は祖父・岸信介など選択された血縁者のみだが、今上陛下はすべての死者を背負っている。
◆日本のリベラル・左派勢力は未来=生者を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けている。

【本書の概要】
2016年の「おことば」から生前退位特例法案までの動きや、これまでの今上天皇について「死者」をキーワードとしてウチダ流に解釈。

今上天皇による「象徴的行為」を、死者たち、傷ついた人たちのかたわらにあること、つまり「共苦すること(コンパッション)」であると定義。

安倍首相が背負っている死者は祖父・岸信介など選択された血縁者のみだが、今上陛下はすべての死者を背負っていると指摘する(「民の原像」と「死者の国」)。

さらに日本のリベラル・左派勢力は生者=現在・未来を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けていると喝破。

同時に日本は「天皇制」と「立憲デモクラシー」という対立する二つの統治原理が拮抗しているがゆえに、「一枚岩」のロシアや中国、二大政党によって頻繁に政権交代する米仏のような政体にくらべて補正・復元力が強いとも論じる。

天皇主義者・内田樹による待望の天皇論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

35
内田先生の天皇論は、残念ながらまとまりに欠けて、読みづらい。2007年から17年までという長いスパンの論考を1冊にまとめてしまったことが要因だろう。同じ人間も10年も経てば、思考法や文章の書き方が変化する。内田先生もそうだ。天皇は霊的権力であり、世俗権力との二重構造が長らく統治システムとして機能した。そして私たちは立憲民主主義と天皇制をすり合わせる深い議論をしないままでここまで来ている、との指摘は的を射ていると思う。2021/01/29

ちさと

33
内田先生って変わってますよね。現政権=右に対しては批判的だけど、天皇制には賛成。与党=右とは言えないとしても普通の立場ではない。本書は内田先生があちこちで書かれた天皇論を寄せ集めたもので、話は飛び繰り返しも多く体系的にまとまっているとは言いがたい1冊でした。天皇制と立憲民主制という相容れざるものが拮抗しつつ共生することで、国民も知恵を絞って活力を生み出すと書かれていました。さて、所得が伸びない現役世代がメジャーになった時、自分達の生活も安定しない状況の国民が天皇に対して興味を持てるか、どうなんでしょうね。2019/06/08

Tenouji

24
最後の海の民と陸の民のせめぎ合いという発想は面白い!2018/02/02

九曜紋

21
著者が様々な場で天皇制について書いた論考をまとめたもの。直接的に天皇論と言えるのは、2016年8月の今上陛下の「おことば」についてのいくつかの文章。著者の立ち位置は言うまでもなく左派リベラルであり、もともとは天皇制に深い関心を抱いていなかったようだ。しかし、今上陛下の鎮魂と慰藉に徹する姿勢に感銘を受けたらしい。鎮魂とは先の戦争で斃れた者を弔うこと、慰藉とは災害に遭った人々を慰めること。平成の30年間、今上陛下はまさにそれに身を捧げてこられた。平成最後の年にそれに思いを致すのは必要な営為だろう。2018/06/20

樋口佳之

21
50代の自分は著者の議論を受け入れる部分があるけど、生まれた時から天皇と言えば今上天皇の世代はどうなのかしらん。/その上で議論では触れられていないけど、女性、女系については制度の変更が必須だと思います。/常民、網野歴史学を読まないとなと感じました。2017/10/07

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