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内容説明
「いじめ」を脳科学する。
「子どものいじめ撲滅」に向けて、大人たちが尽力している一方で、大人社会でも「パワハラ」「セクハラ」などの事件が後を絶ちません。しかし、「脳科学的に見て、いじめは本来人間に備わった“機能”による行為ゆえ、なくすことはできない」と、著者である脳科学者・中野信子氏は言います。ならば、いじめに対するアプローチ法を変えて、その回避策を考えていくことが、良好な人間関係を維持するためには得策です。本書では、子どもの仲間はずれやシカト、大人のパワハラ・セクハラなど、世代を問わない「いじめ」に関して、その回避策を脳科学の観点から説いていきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
365
注目の脳科学者・中野信子の「いじめ」本だけに、ズバッと切れ味良し。いじめのメカニズムのヒントになった。「いじめ根絶」を訴えて、なんとなく安心することの危険性がよく分かった。2024/07/07
absinthe
185
きわめてよい本だと思う。どうしても、いじめを容認しているように誤読する人はいるだろうな。absintheはその昔、人間の行いの説明に遺伝子や生得的な性質を持ち出すのを酷く嫌悪していた時期があり、そのころ読んでいたら糞本の筆頭に挙げていたかもしれない。本書は、豊富な研究成果に基づいているが、結論に至るまでの過程は駆け足に見えるので、反感を持つ人はいるかもしれない。ただ、娘を持つ親としては参考になることがたくさんあった。2018/05/14
ナイスネイチャ
183
図書館本。タイトル通り本能的にやめれないと認識すれば解決策が違ってくる。イジメゼロの目標はただ隠蔽の方向に向かう事がよくわかった。昨今の大企業不祥事隠蔽も同様なのかと。起こる事を前提に物事を考える著者の理論は分かりやすく、教育関係者の方に是非とも一読していただきたい。2018/01/29
『よ♪』
120
「いじめゼロ」を目指すことで生まれる矛盾──実際にはあったけどなかったことにしよう。不良ゼロ。故障ゼロ。クレームゼロ。大人なら覚えがあるのでは?真実を伝えてイヤな顔をされるのなら隠蔽する。その程度の生きモノだ。…とボクは思ってる。所属する集団を守るために異端を排除する行動─向社会性─はヒトが元々持つ機能だと云う。これにより『制裁行動』をとる。この機能が"健全に"働くために、ヒトは制裁を行うと"快感"を得るらしい。脳の働きとしては『いじめ』もコレと全く同じらしい。とても残念だ。"ニュータイプ"でも目指すか?2019/08/29
ムーミン
100
理屈はなるほどと感じました。ただ学校現場におけるいじめ回避策は、より現場の実態に応じた具体的なものが必要。優れた学級経営、生徒指導の実践家とタッグを組んだ、実践編ができるとすばらしいと思いました。2017/11/12