竹書房怪談文庫<br> 実話蒐録集 魔黒怪談

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竹書房怪談文庫
実話蒐録集 魔黒怪談

  • 著者名:黒史郎【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 竹書房(2017/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784801912250

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内容説明

黒史郎が放つ<黒>シリーズ第五弾。
夜中に見た不思議な腕、その理由を思うと…「おにいちゃん!」、幼いころの記憶――部屋にいたのは両親ではなく、両親に似せた何か…「親人形」、心霊スポットに向かう途中で仲間の調子がおかしい。そこへ声をかけてきたのは…「線香ヤベエ」など、日常のふとした魔の隙間に蠢く怪異の数々。目を凝らしてみればすぐそばに、恐ろしい何かが足をすくわんと蹲っている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

200
黒史郎さんの怪談は淡々とした文体で、おどろおどろしい程のど迫力が感じられませんので少し勿体ないなと思うのですが、きっとそれがご本人の芸風で読み手を徹底的に恐怖のどん底に叩き落としてやろうとは考えておられないのでしょうね。でも逆に程々の文章だからこそ骨の髄まで怖がらずに済んで救われる方もおられるだろうと思いますし、それもまた著者ならではの個性だと言えるでしょうね。『チラシのモデル』菜々さんが女子高に通っていた頃に同学年の生徒がトイレで首を吊って自殺した。遺書はあったが死ぬ理由は一切書かれていなかったという。2021/02/13

HANA

59
実話怪談集。流石の安定で、外れがないために安心して読める。贅沢を言うと全編淡々としすぎのような気がしないでもないが、全ての話の内容が理に落ちない奇妙な話のためにその文体が効果を発揮しているようにも思える。面白かったのは「悪霊情報」や「おに」「怨霊」等、後味が悪いものが最高。特に「怨霊」とかは話の端々から感じられる理不尽さやわけのわからなさが実に良い。あとこの著者の場合、子供時代を舞台にした話だとうっすらとしたノスタルジアがいい雰囲気を醸し出しているのを再確認。今回も著者の理外の理、楽しませてもらいました。2017/11/02

田中

25
著者が蒐集した48編の実話体験談が収められている。2編が特に印象深い。「らいおんがいる」は、幼児が祖父の焼死を予見した絵を幼稚園で描いていた。その燃えさかる炎が、ライオンの様相なのだ。何か子供特有の意識下で脳が活動し将来が見えてしまうのだろう。興味深い超能力的な事例である。もう一つは、軍装品コレクターの怪異体験。「バッグ」は、起こるべくして起きた怪異のようだ。多数の軍服を保管している部屋の中で異変が繰り返される。服そのものに軍人の怨根が染みこんでいるのだろう。ゾッとした。【日本の夏は、やっぱり怪談】 2025/07/14

澤水月

25
全話読ませる、さすが。おにいちゃん!クイズ番組、ちぐはぐ…と畳み掛けギア上がりっぱのまま最後まで。線香ヤベエ、親人形、チラシのモデルなど思春期までの子供達巡る話の数々本当にうまくて唸る。で。凡白の脅かし系怪談とは全く異なり本当に後書きで黒さんが心配です…応援します。書くことが良いことをもたらしてくれますように2017/10/05

hannahhannah

14
黒史郎によるオカルトホラー、黒シリーズ第五弾。謎めいたまま、説明されなく終わる不気味な話が多い。平山夢明の話のようなグロテスクな姿をした幽霊が出てくる話もいくつかあった。「眼」と「通夜の晩」の❝あなた誰ですか?❞感が凄い。不気味なようで笑えるけど、やっぱり不気味という感想になる。「もうらぞ」の容赦のなさ、「茶色い葉書」の情念の禍々しさと強烈さ、「怨霊」のサイコっぽさが印象に残った。今回は黒史郎独特の比喩表現は抑えめだった気がする。あとがきがいつになく深くて、黒さんが求道者のように思えてくる。次作も楽しみ。2017/10/06

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