内容説明
東京近郊にある共同農場の農場長・尾関譲に、ベトナム人ロアンから電話があった。ウォーリスに狙われているので助けてほしい、という。ベトナム戦争当時、三人はCIAの現地工作員として知り合った。尾関は、指定された都心のホテルに向かった―。何かを忘れ、何かをそらして生きてきたこの十年間を振り返りながら。過去を忘却の淵に沈めてきた男が、今再び過酷で非情な世界に舞い戻る。本格ハードボイルド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
57
ベトナム戦争を知る作家さんだからこその内容かも。父の国アメリカに、ベトナム戦争に、と気の休まらない時期を過ごし、日本に帰り養豚場の管理人で過ごすこと10年。欲に絡んだ昔の仲間が・・父が顔を揃えた。男と女の報われない愛と暴力・・40前の男ってこれだけ敏捷だったかしら2016/12/06
たーくん
4
東京近郊にある共同農場の農場長・尾関譲に、ベトナム人ロアンから電話があった。ウォーリスに狙われているので助けてほしい、という。ベトナム戦争当時、三人はCIAの現地工作員として知り合った。尾関は、指定された都心のホテルに向かった―。何かを忘れ、何かをそらして生きてきたこの十年間を振り返りながら。過去を忘却の淵に沈めてきた男が、今再び過酷で非情な世界に舞い戻る。本格ハードボイルド。 2016/10/31
Tetchy
3
全体的に地味な作品。いや、シミタツの作品は総じて地味なんだけど、耐える男と女の感情の迸りが行間からにじみ出て、地味ながらも非常に濃厚な叙情性を感じるのだが、これに関してはとりあえず金塊強奪を設定してヤクザとか絡めて物語を動かしてみるかといった、浅慮のままで書いてしまったようにどうしても感じてしまう。最後の唐突に主人公が告白する裏切り者の正体を見抜く根拠が小説では解らない臭いが手掛かりだったので苦笑した。しかしそれでも最後にシミタツ節溢れる闘争シーンがあるのだから大した物だ。2009/10/10
unpyou
2
本邦最強の冒険小説作家シミタツが、デビュー前から習作的に書いては直ししていた作品とのことで、その後の作品の原型となる要素が詰まっているような作品。屈折し敗北を胸に抱えた主人公、報われない男女関係、海洋冒険要素(少しだけど)、そして耐えて耐えて耐えて最後に爆発するプロットと爆発後の異常なまでの疾走感!シミタツ節をじゅうぶん堪能できます。2011/08/28
なつみかん
1
冒険小説なら志水節
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