山と溪谷社<br> 人を襲うクマ

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山と溪谷社
人を襲うクマ

  • 著者名:羽根田治
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 山と溪谷社(2017/09発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635230070

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内容説明

福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事故の検証を筆頭に、最近のクマとの遭遇被害の事例を追い、専門家による生態解説など含め、クマ遭遇被害の実態を詳細に明かす。

1970年7月、日高のカムイエクウチカウシ山で登山をしていた福岡大学ワンダーフォーゲル部5人は、九ノ沢カールで幕営中、突然、ヒグマに襲われた。
近くにいた他大学の山岳部員に救助を求めるが、クマの執拗な攻撃に遭い、結局3名が亡くなった。
ザックを取りに戻らない、背中を見せて逃げてはいけない、等、幾つかの教訓を残し、当時大きな話題になった。
本事故に関する報告書は残っているが、書籍化されないまま、50年近くもの間に事件そのものが風化してしまった。

最近クマの出没が各地で相次ぎ、クマの襲撃による被害も頻発しているので、
悲惨な本事故をしっかり検証しつつ、最近の事例、専門家による生態解説など、
クマの脅威と遭遇被害の実態に迫った。

<内容紹介>
1章
1970年7月日高・カムエク事故に関する詳しい検証。
報告書を元に、1部員の遺書も掲載、この事故は何が原因なのか検証。

2章
登山者がクマと遭遇して起きた最近の事故を検証。
2009年 北アルプス・乗鞍岳
2014年 奥多摩・川苔山
2015年 滋賀・高島トレイル
2016年 鹿角市・山菜採り事故
等、主に7件の登山者による遭遇事例を取り上げ、検証。

3章
専門家によるクマの生態について
東京農業大学 山崎晃司氏が、最近のクマ遭遇事故の特徴、クマの生息域の拡大と事故とのつながり、ヒグマとツキノワグマの生態の違い、地球環境の変化とクマの生活圏の変容などについて解説。

※ツキノワグマの写真家 澤井俊彦氏によるクマの活写。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

109
山でクマに遭遇して襲われた6つの事例を取り上げて検証するとともにクマの生態と遭遇時の対処法が書かれていた。以前にも同じような観点から書かれた本を読んだことがある。人はなぜクマに襲われるのか、それは当たり前すぎるがクマと遭遇するからだ。だから本書には遭遇しないことがいちばんだと書かれている。そのためにはクマのテリトリーに近づかないことも大事だという。獣害というけれど人がクマのテリトーに入ってタケノコや山菜を採る。クマからみれば人害かもしれない。悲惨な事故に遭わないために知っておきたい事だ。 2017/12/13

NADIA

68
やーもう、マジ怖いからクマの話は苦手💦「大丈夫!!私は週末ハンター(@モンハン)だから、アオアシラ(クマのモンスター)だと思えば楽勝よ」と自己暗示をかけて挑んだ(笑) しかし、有名な福岡大学ワンダーフォーゲル部の3人死亡事故から始まる羽根田さんのドキュメンタリーはクマの恐ろしさを強調するものではなく、人間がクマのテリトリーに入り込んでいるということを意識させるものだ。これも山に入る人には是非とも読んでもらいたい一冊である。私は引き続き、クマに遭わないように山には入らない生活を送ろうと強く思ったよ。2022/08/10

HANA

59
山での遭難というと天候や事故に目が行きがちだけども、本来山は彼らのテリトリーであるという事を思い出させてくれる一冊。本邦の熊による遭難では外せない福岡大学ワンダーフォーゲル同好会の事故を始めとして、漁師の語る熊との向き合い方、近年起きた熊による事故、生態と遭遇時の対処と熊を知る上で至れり尽くせりの本となっている。読み終えて思うのは熊もまた被害者であるという事。宅地化や登山によって彼らの領域に入り込む事、山に杉を植えた事などの要因が重なり事故の増加につながっているのであるな。怖いけど何か切なくなるような。2020/09/10

えんちゃん

58
山岳ライター羽根田氏によるクマ遭遇事例と対処法。最近クマのニュースが多いので手に取ってみた。クマと人間の軋轢の歴史と傾向。パニックに陥り暴れるクマはパニックホラー映画よりも何倍も恐怖だ。登山が怖くなる。丁寧な取材と現場の声とデータの数々。とても興味深く勉強になる一冊。2021/05/23

キムチ

50
羽田さんのペンは実にリアル・・まるで現場を俯瞰しているかのようで、恐怖がじわっと来る。ツキノワも羆も理屈抜きで怖い!友達が去年カムエクに行ったのでむむっと考えたが、勿論却下。安易に考えていた高島トレイルも止め。九州と四国は「いない」と言われるが。金剛と槇尾山もいないので安心して歩いている。大峰、台高はいるから怖いよぉ。秩父山系の事例から考えられることを語る猟師の言葉は正鵠を射ている。唐辛子スプレー、メンバーで歌を歌う、クマよけ鈴。。やはり、正解じゃないんだ。森のくまさん・・なんて唄うのはやめよう・・2018/03/16

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