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内容説明
日本の多彩なアダルトビデオはまさに百花繚乱、世界中に多くのファンを持つ。かつては暴力団が女性を斡旋し、資金源としたが、90年代後半から業界の体質改善が進み、自ら女優に応募する女性も増え、健全なビジネスに変貌を遂げたかに見えた。しかし、2016年3月、女性団体が、自らの意思に反してAV作品に出演させられた女性たちの存在を発表。その後、被害者の告発が続く。AV女優が身を置く過酷な労働環境が表面化したのだ。東京オリンピックを控えた今、当局はAVへの取り締まりを強化する方針だ。瀕死寸前のAV業界生き残りの道を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
35
映画産業が斜陽化したとき、日活がロマンポルノという路線を立て、後に制作者側にも出演者側にもたくさんの才能を残していった。異端視されながらも、映画産業という枠の中にあったからなしえた結果なのだろうが、AVとなると別。それは業界が確立していると言い切れないからだろう。グレートもブラックとも比喩される典型的な世界が、ここに描かれているのだが、この業界自体が、どこを向かなければいけないかを考えれば、自ずと答えは出るような気がします。2018/04/05
nishiyan
8
『名前のない女たち』などAV業界を取材した作品を多数執筆している著者による「AV出演強要問題」を追った力作。幻冬舎新書は中身が薄くて読んでもあまり残るものがないのだが、これは面白い。著者自身のネットワークから現職のスカウトへFAX取材を行っていたりと、業界のグレーからブラックな面を丹念に追っている。少子高齢化がAV業界にも影を落としている。かつて稼げていた女優も手取りが確実に減っている。監督や男優に比べて使い捨てされながら、充分な報酬も得られなくなったこの業界に未来はあるのだろうか。2017/10/02
尿酸値高杉晋作
7
「AV女優は性行為の相手から対償を受けていないので売春婦ではなく、出演した企業から報酬をもらう実演家」という解釈に苦笑。パチンコの景品買取屋理論みたい。2018/01/26
salut
6
AV女優は未成年ではない、ちゃんと意思を持った人であるはず、なのに、一体どんな手を使ったら、望まない行為(それも短時間ではないし、その場かぎりではなく、Vとして一生残る)を強要できるのか? そこが知りたくて読んだ。手口や口説く方がプロだということは分かったが、それ以上は、私の想像力が乏しいのか、よくわからない。でも、昔から、あれが合法な商売だというのも理解できなかった。世の中には、知らない世界、なぞがたくさんあるなと思った。2017/10/08
hikarunoir
5
嗜虐的内容が嫌で見ないが、購買層高齢化や無料裏動画横行、割の合わない商売具合は、感染症や法改正等、以降の状況悪化を鑑みれば加速しているはず。2022/12/04