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内容説明
下司だ、覗き見趣味だと言われようと、文学者の異性関係を知るのは楽しい。彼らが当時の姦通罪に怯え、世間の猛バッシングに耐えながらも不義を重ねたり、人間の痴愚や欲望丸出しで恋愛し、破滅と蘇生を繰り返し、それを作品にまで昇華させるタフさに畏怖すら覚える。小説はモデルなど詮索せず、文章だけを虚心坦懐に読めと言う人もいるけれど、そんなつまらない味わい方はしたくない――。森鴎外から太宰治、芥川龍之介、谷崎潤一郎ほかスター作家62名の赤裸々な性愛の記録。日本文学の真髄と、生の根源がここに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
70
図書館で見つけ機械的に借りる。近代日本文学の作家62人の妻や愛人などの逸話と実像などを作家ごとにまとめたもの。個人的に、作家の実生活などはどうでもいいと思っているので、正確にいうと、何よりも自分が心底、面白いと思う人物のことでないと読む気になれないのだ。名前ぐらいしか知らない作家たちのことを言われても、それも分量が少ないのでピンと来ない。一冊に新書でまとめたのは資料としていいと思うが。気になる人のだけを拾い読む。著者のファンならば。2018/08/04
国士舘大学そっくりおじさん・寺
70
幕末生まれの漱石・鴎外から、昭和初期生まれの澁澤龍彦・池田満寿夫までの「文豪の女遍歴」(女性作家の場合は男遍歴)をまとめた小事典的1冊。小谷野本を数々読んだ者にはお馴染みの話題が多いのだが、楽しく読了。巻頭に「美男美女が勢揃い!文豪たちの若き日のグラビア集」というページがあり、老いた姿ばかりが教科書に載る人たちの元気な姿が拝めて楽しい。しかし美男美女勢揃いではなく、醜男醜女も当然いる。この本に載っていない作家(坂口安吾や司馬遼太郎など)の女遍歴も気になる。いつか増補して本当に事典にすれば良いと思う。2017/11/04
澤水月
39
澁澤龍彦と矢川澄子の別離原因、加藤郁乎が01年に自著文庫追補で露悪暴露した件だけ?籍入れず併走した谷川雁がなぜ一言もない?とか気になり調べると加藤暴露から1年せず矢川自死と気づきドンヨリ…と本書から色々自分で広げ重く。吉行の女、手記読んでないの一人いた!「火宅」も織田作も…どの業界もグルーピーいるが文筆周りはさすが本出し張り合う。池田満寿夫・富岡多恵子、井上光春・寂聴は浅学にして本書で知り(井上荒野が寂聴と父を今書いてる!)。ただ著者の個人感想や偏見断定多く事実のみ読みたい…すぐ精神病・発達障害て(コメ続2017/10/16
やいっち
37
筆者は作家の伝記を書くのに熱心。伝記では、男女関係の話題が面白い。異性(同性)関係が作家の文業の理解につながるかどうかは、作家それぞれで違う。実際、本書を読んで作家の理解に資したかどうかは、かなり怪しい。あくまで車中での待機中の暇つぶしに、皆さん、お盛んだなーと思うだけ。扱われる書き手もかなりが忘れられた存在。吾輩が辛うじて覚えている程度か。生前は世上を賑わせたりもしたものだが。生きている間にさえ、話題の渦中になればと思うのなら、スキャンダルを巻き起こし、それを自らネタにするのも一つの手段ということか。2018/09/15
ぐうぐう
36
読んでいてあまり楽しめないのは、他者の痴話に俺自身があまり関心がないからなんだろうな。だからといって、収穫がないわけではない。明治から昭和までの作家62名の女性(ときに男性)遍歴を紹介する本書。潔癖化が進み、不倫御法度な風潮が蔓延る現在から眺めると、この当時の作家達の女性を求める奔放な態度には、いっそ清々しさを覚えるほどだ。とはいえ、川端康成や谷崎潤一郎のように、恋愛を小説に利用するタフなタイプもいれば、太宰治のように痴情を私小説にして正当化できない不器用な作家もいて、様々だ。(つづく)2018/01/04
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