内容説明
僕――上村優弥には「タカネさん」という女友達がいる。「JK」を自称しているタカネさんだけど、実際のところは女の子かどうかもわからない。なぜなら「彼女」との繋がりはSNSだけだから。でもそれでいいんだ。タカネさんと話していると楽しいし、何より「ネットはネット、リアルはリアル」なのだから。少なくとも、僕はそう思っていた。そう、信じ込んでいた。
だけど、僕は「彼女」と出会ってしまった。高宮さん――タカネさんのリアル。僕に告白してくれた女の子。僕が振ってしまった女の子。だって僕が好きなのは「タカネさん」なのだから……。そして僕は、タカネさんに告白する。
これは、僕と「彼女」が付き合い始めて、別れるまでの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
過去のトラウマを抱える高校生・優弥がSNSだけで繋がりを持つ自称JKタカネさん。彼女とのやり取りを楽しみに日々生きていた優弥が、まさかのリアルで彼女と遭遇してしまう青春小説。コミュ障な優弥が友人の紹介で出会った可愛い高宮さん。タカネさんとリアルな高宮さんを同一視できず大混乱する優弥と、そんな彼相手に粘り強く頑張る高宮さんの間で育まれてゆく何とも複雑な関係。健気な高宮さんのエピソードが明らかになってゆくたびにもどかしさが募る展開でしたけど、遠回りしながらもあるべきところに落ち着いた結末にはホッとしました。 2017/09/22
かわゆきか
12
よくまぁこんな主人公に最後まで愛想尽かさず付き合えたなぁってのはさておき、同一人物だとわかっていながら別人として付き合う設定は面白かった。ウブな2人のやりとりもとっても可愛くて面白い。個人的にはとても気に入りました。2017/12/31
真白優樹
6
今や生活には欠かせないものとなったSNS。そしてそんなSNSでしか繋がっていない友達関係。現代の社会にも往々にして存在していそうな、ある意味希薄な繋がりは読者様にも覚えがある方がおられるかもしれない。そんな繋がりを題材とし、揺れ惑い続けて一歩を踏み出せぬ少年を健気に想う少女がぐいぐい押していき、その手を掴んで見せるこの物語は、瑞々しく現代的で等身大の青春ともいうべき作品であり、現代的な恋愛や透明な青春を読みたい方にはお勧めである。辿り着いた場所、そこから始まる未来に幸あれ。 良き面白さを持つ物語であった。2017/09/25
leo18
5
現実世界とSNSでの純愛ストーリー。めんどくさい主人公に対して高宮さんが好感度マックスな上にいい娘すぎる。設定意外は至って普通の恋愛小説。甘めな恋愛好きならまずまず楽しめるかと。2017/10/01
ツバサ
5
普通かな。物語の出だしが唐突だったり、場面展開は急だし、キャラの掘り下げが足りないとか色々あるけど最後までは読めた。2017/09/25