内容説明
「私とは何か」から「人間とは何か」へ。モンテーニュが「私」の探究を通して「人生の真実」を問うた名著『エセー』。思想の書にして第一級の文学作品であるその本質と魅力を、碩学がみずみずしい名文で綴る、最良の手引きの書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
92
この方の書いた「モンテーニュ私記」は以前に読んで非常にこの分野では評価していました。この本はさらにモンテーニュの生涯や生活した場所などを紹介するとともに「エセー」をも解説しておられます。フランスにお住いのようですからモンテーニュについてはかなり詳しく分析されているのでしょう。時たま「エセー」を読みかえしていますが、また読みなおしたくなりました。2018/09/15
ののまる
10
いままさに、モンテーニュでしょ!と思って。『エセ—』本体は新訳版が届くのをまっているところ。2020/05/05
うた
6
モンテーニュの入門書としては、講談社学術文庫のものと甲乙つけがたい良評論。私としては、値段も含めて文庫をお勧め。エセーからの豊富な引用、穂苅先生の読書体験などから、モンテーニュの骨法を追いかけられるようになっている。2017/07/08
荏苒 byn
3
2016年エセー宮下訳が完結。 モンテーニュによる新刊は読めないけれど、彼を探求する人達から新刊が出るのは嬉しい。 著書は 80歳くらいの方で、自在で明晰なディスクールが展開される。月刊誌連載で、悠揚迫らない一面はオマージュ。エセーの時代背景等の深読みに好適。 引用文は原典の著書訳で、別途エセー全文訳を出版して貰いたい。 本書にはツヴァイクとモンテーニュに関する一章もある。ツヴァイクのモンテーニュ論日本語版は、みすず書房の 3人の巨匠と云う本におまけのように4人目として入っている。 2017/07/28
Kakizaki45
2
「随想録」ずっと読みたいと思っていました。ただホントにおバカなことに勝手に字面からつれづれに気軽に書かれたいわゆるエッセイなのであろうと思っていました。書評欄で見つけて図書館で借りることができて幸運でした。いきなり「エセー」に当たっていたら味わう前に確実に挫折していたでしょうから。2018/05/13