内容説明
2016年4月の熊本地震に際し、タレントの紗栄子さんが義援金を寄付したことをインスタグラムで公表したところ、ネットで大批判された。寄付したことが批判されるなど、海外だったら考えられない。 このようにインターネットが普及した日本では、誰しもネットに容易にアクセスできるようになり、「一億総目くじら社会」になっている。なぜ、こうなるのか? 世界でも日本だけに存在する世間の構造を解明せよ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
25
世間が現代日本社会、とくに新自由主義社会で自己責任が蔓延るなかで、同調圧力が強まり暴走している事実を示す。かなり面白かった。2019/12/21
けんとまん1007
18
確かに頷ける点もア大井。世間という目に見えない文化。個人ということは、いろいろ語られてきた。これも、欧米と比較して述べられているが、いい悪いではない部分が多いと思う。自分の周囲でも、自分のことは脇に置いて、他人に厳しいという空気は、以前よりも強く感じているのも事実。じゃたして、どうなるのか。どうできるのか。2017/12/09
Tsumugi.G
6
まず読んでいて時事や最新の風潮をもりもりに盛り込んでおりトレンド感度の非常に高い著者だなぁと思った。「あの騒ぎ何故そんなに話題なんだろう大したことないのに」と思ってた事件等の解説が前半には多く、対比も例も非常にわかりやすいのでなるほど!となること多し。私は他者の目線に怯えながら生きているが、(中学時代色々あってから)「人に流されない人になろう」を行動指針として掲げている為世間に馴染めないことが多いが、個人的にはそれは良いことだと思っている。行きつけのカフェバーで頂いた本で、普段評論読まないので新鮮だった!2018/09/11
すうさん
5
山本七平の「空気の研究」などの本を読んでいたので、日本人の「世間」と「個人」のことはよく理解できた。この本では、著者が現代の色々な事件と照らし合わせて解説している。著者は「贈与・互酬の関係」「身分制」「共通の意識時間」「呪術性」といった4つの独特の意識が法律のルールより上位に存在し、常に社会の常識や規範として我々日本人に無意識のうちに影響しているというもの。 この本で、社会と自分との関係を見直すきっかけになるとは思うが、この「世間」や「常識」から超絶して生きるにはまだ時間がかかると思った。 2017/11/03
gixtc990
4
日本にしか存在しない「世間」の縛りが段々厳しいものになり、あらゆることが「ゆるせない!」ことになっていくのは、この国にとっては、大きな損失だと感じました。もう少し寛容さを取り戻すべきと思います。まずは、自分の周りから。2018/04/08