ちくま新書<br> 兵学思想入門 ──禁じられた知の封印を解く

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ちくま新書
兵学思想入門 ──禁じられた知の封印を解く

  • 著者名:拳骨拓史【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2017/09発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 200pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069863

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内容説明

江戸初期に学問として体系化され、甲州流・山鹿流といった兵法として花開いた兵学。自己を律することを求めるだけでなく、独自の国家観を中心に、修己・治人・治国・平天下へと繋げていくものとして豊かな内容をもったその体系は、やがて明治維新の原動力となった。それが西洋兵学の流入によって変容し、二十世紀の戦争の時代にその精神性の強調によって誤解されるに至ったのはなぜか。現代兵学の観点から批判的考察を交え、思想としての日本兵学の特質を総合的に論じる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無重力蜜柑

10
これは、酷い……。山鹿流兵学や甲州流兵学など、いわゆる日本の伝統的な兵学を論じる本。著者はその源流を記紀神話にまで遡って論じ、吉備真備や大江匡房、武田信玄などを取り上げる。さらに近代以降の帝国軍への影響や自衛隊と関連した今日的意義など、内容自体は極めて興味深い。しかし、序盤(p.31)で早くも記紀神話を取り上げて日本の「武」の解釈を「万邦無比」と礼賛し始め、雲行きが怪しくなってくる。そして天皇どころか天照大神に敬語を使い、三種の神器の道徳的意義を論じだすに至り、近代人としては完全にお手上げとなる。2024/07/17

パット長月

7
岩波では絶対に出さないだろうが、思想信条は自由なのだから、きちんとした出版社から、こういう内容の本が出るのもまた良いことだと思う。上代から現代にいたる日本兵学の系譜をその根本に尊王思想があり、かつそれを美点とする見地から解説した本。別に組するわけではないが、天皇と軍隊を分離した現在の自衛隊のありかたを批判する、何とも大胆な内容である。ただ、著者の思想が強く出すぎて、肝心の兵学思想の解説について、(根拠はないものの)その客観性に疑いを感じてしまう人は多いのではなかろうか。2017/11/25

きさらぎ

5
日本における孫子の受容、甲州流、北条流、山鹿流といった各流派の成り立ち、そして日本式の兵学が明治維新から第二次世界大戦敗戦までにどのように理解され、研究されたかなどを時代を追って書く。終章で自衛隊も扱う。戦国武将や江戸時代の藩主、思想家、幕末の志士、帝国陸海軍の将などが色々出てくるし歴史的な出来事と兵学の関わり合いなどの記述にそこそこ興味は惹かれるが、何しろ著者の思想傾向が全面に出てくるタイプの本なので、思想的な方面は目を瞑りつつ、記述は割り引きつつ(笑)、さらっとよむのがいいと思う。勉強にはなります。2017/10/05

amabiko

2
こちらの関心の所在は、第二章 日本兵学の芽生え、第三章 江戸兵学思想 のみ。しかし著者の眼目は終章 現代に活きる日本兵学思想 にある。帯の惹句「明治維新の原動力その知られざる全貌」は如何か。維新史に登場する人物が兵学と関わりがあったことを挙げるにとどまる。巻末の主要参考文献リストは役に立つ。2018/05/01

namith

1
名前は聞いたことがあっても中身はよく知らない兵学という日本独自のヘンな思想について解説したヘンな本。幕府との兼ね合いで羽柴流は無理にしろ、織田流がなかった辺りに、信長が最後には圧倒的勢力を誇った一因がありそうである。2017/11/24

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