迷いクジラの子守歌

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迷いクジラの子守歌

  • 著者名:安東みきえ
  • 価格 ¥999(本体¥909)
  • PHP研究所(2017/09発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569785431

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内容説明

悩みながら迷いながらも、幸せを求める海の生きものたちの物語。トビウオのトビィは、いつも思っていました。なぜ魚なんだろう、つばさがあるのに。なぜ鳥にはなれないんだろう、こんなに空がすきなのに――。そして、水にもぐるウミ鵜を見て思うのでした。鳥なのになぜ空だけにいないのか。あんなに軽々と飛べる羽をもっているというのに。そんなある日、トビィたちの群れが船にぶつかりそうになり……。クジラの子どもはかあさんとはぐれて迷子になってしまいました。ちょっとしたことで叱られて、かあさんのもとを離れたのがいけなかったのです。気づいたらまるで知らない海にきていました。そして、海の生きものたちにかあさんを知らないか聞いてまわるのでした。「死の女王」と恐れられ、きらわれているホホジロザメ、いつか竜になれると信じ、泳ぎの練習をするタツノオトシゴ、3億年も前から平穏が好きなシーラカンスなど、心に沁みる7つの短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

散文の詞

106
海の生き物を擬人化したような短編集です。 絵本を小説にしたような感じですが、あるいはどうでもいいような、あるいは感動できるような話ばかりです。 読みやすいですからたまに、取り出して読めば、たぶんその時の気分によって感じ方が変わるような気がします。 いずれも、ラストの文章が印象的です。 2020/05/21

chimako

96
地元の作家安東みきえさんの短編集。『頭のうちどころが悪かった熊』のようなシュールさもブラックも影を潜め、どこまでも優しく読み手の気持ちに沿うような温かい小さな七つのお話。巨大なメスのホウジロザメ ロレンチーナとコバンザメのキューの話が一番好きだったが、どの話も結びが良くてホッと心が緩む。海は命の源。シーラカンスのヒレはやがて陸上動物の四肢となり我々にたどり着く。海がないから憧れる。良い本です。2016/09/02

ままこ

93
海の生き物達の短編集。タイトル作を含め各話その生態を踏まえてあるので物語に深みがあり本質を突いた言葉が胸に残る。「シーラカンス」ウナの思いやりがシーラを頑なな心を動かした。「死の女王」自然の摂理が切ない…分かり合えなくても気持ちは繋がるラストにジンときた。「海の花」センジュさんの“おかえり”のシーンと紅ヒモさんが教授をいたわるシーンは心が温まる。応援団のキンチャクガニもほのぼの。「いつかドラゴン」切なく美しい物語。「小さな奇跡」締めくくりのラストの文章が印象的。心に響く素敵な作品だった。2019/07/29

itica

48
【児童書】海に棲む生き物を題材に書かれた物語。イソギンチャクとクマノミ、ダテハゼとニシキテッポウエビの共生など弱いからこそ助け合う生き物たちや、翼を持っていても飛べないトビウオの哀しみと言った擬人化した生き物の生態を学びながら、生きることの厳しさ、共に生きるものの優しさを教えてくれる。 2016/04/01

野のこ

32
これも大好きな一冊になりました。表紙の絵は青い青い海のなかへと誘ってるよう。児童書ですがじーんと心が暖かく暖かく暖かく。また違う魚たちが仲の良い様子や魚の生態も知れて楽しかったです。それぞれの個性が生かされて、からだいっぱいに表現豊かな生き物たち「広い海は親たちの祈りで満ちていくのでした」海に行きたくなりました。愛情、友情、希望、どのお話も素敵。今日も海のどこかで小さな奇跡がおきているのかしら。また、あとがきの貝にはびっくり!500歳の貝かぁ…。 2017/11/19

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