文春e-book<br> がんになる前に乳房を切除する 遺伝性乳がん治療の最前線

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文春e-book
がんになる前に乳房を切除する 遺伝性乳がん治療の最前線

  • 著者名:小倉孝保
  • 価格 ¥1,426(本体¥1,297)
  • 文藝春秋(2017/09発売)
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  • ISBN:9784163907277

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内容説明

女優アンジェリーナ・ジョリーの告白で有名になった乳がんの予防切除手術。だがそれよりも20年前、世界に先駆けて自らの健康な乳房にメスを入れ、偏見と闘い続けたイギリス人女性がいた。欧米に大きく後れを取る日本での遺伝性乳がん治療の現状も報告。


【目次】
序章
第一章 傘で飛ぶことを夢みる子
第二章 乳がんの遺伝を疑う
第三章 結婚、そして出産
第四章 家系図を作って調べる
第五章 がんになる前に乳房を切り落とす
第六章 ハイリスク遺伝子の発見
第七章 卵巣の摘出手術も
第八章 二十代の姉妹を救え!
第九章 イメージチェンジはミュージカルで
第十章 ダイアナ元妃のサポート
第十一章 日本での保険適用の動き
第十二章 特許を巡る闘い
第十三章 進歩する乳房再建
第十四章 日本で再建手術が進まなかった理由
第十五章 娘の遺伝子検査と予防切除
第十六章 孫の誕生とヌード・カレンダー
第十七章 歩み始めた日本の女性たち
あとがき
乳がんカレンダーのモデルたち
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たちばなあやか

4
この本は、乳ガン疑いで遺伝子検査を受けるまでの海外での葛藤を描いた本です。たった一人の女性が「自分は遺伝からくるガンじゃないのか」と思って、そこからムーブメントが起き、国をも動かす様子が描かれています。乳がんのサバイバーである私には、身につまされる本でした。2020/04/07

kenitirokikuti

3
乳がんオペには整形外科的なイメージがある。しかし、本書が明らかにするのは、乳がんリスク遺伝子の特許化およびその事業化に対する動きである。90年に乳がんに関する遺伝子が十七番染色体と判明し、94年にユタ大学の「ミリアド」という組織がその遺伝子を特定した。同時期に英国のがん研も発見したが、米国での権利はミリアドが独占する。また、その乳がん遺伝子は東欧ユダヤ人に多い、という特徴がある。いろいろあって、2013年、米国最高裁はミリアドの特許(無加工で素のままの遺伝子情報)を認めないとした。2017/12/09

Humbaba

2
問題が発生してしまった場合に対処するのは非常に困難であれば、そもそも問題が発生しないように予防したくなる。予防をするためにもコストがかかるが、それをどこまで許容するかは人によっても違いが出る。どのような決断を下すかは個人差があるが、より公開しない決断を下すためには確率予想の頻度を高める必要がある。2017/12/03

skr-shower

2
日本で遺伝性と診断されたら、既婚未婚に限らず隠すだろう。知られたら、陰口も面と向かっても袋叩き状態になる。形成外科に男性医師が多いのも大問題。女の悩みは小さい事だと先入観がある。辛くない病後のために、医療が進み悪い習慣が覆りますように。2017/12/06

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