コミンテルンの謀略と日本の敗戦

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コミンテルンの謀略と日本の敗戦

  • 著者名:江崎道朗
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • PHP研究所(2017/09発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569836546

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内容説明

ロシア革命が成功したあと、レーニンは世界革命を遂行すべく、「コミンテルン(共産主義インターナショナル)」をつくる。それは恐るべき思想と悪魔的手法に裏打ちされた組織であった。そして大日本帝国は、やすやすとその謀略に乗せられ、第二次大戦に追い込まれていく。なぜ、そうなってしまったのか? 実は、その背後には、日本の「自滅的」な大失敗があった。リヒャルト・ゾルゲ、尾崎秀実らが暗躍していたことは、よく知られたことだろうが、彼ら以外にも、軍や政府内部に入り込み、ソ連・コミンテルンの都合の良いように動く人々がいたのである。どうして当時の日本のエリートたちは共産主義にシンパシーを覚えたのか? ソ連型の共産主義社会をめざす「左翼全体主義者」と、天皇を戴きながら社会主義的統制国家をめざす「右翼全体主義者」は、いかにして日本を席巻したのか? そして左右の全体主義の危険性に気づき、その勢力に敢然と立ち向かった保守自由主義者たちの姿とは――? コミンテルンの戦略を詳述しつつ、日本国内の動きの謎を解き、隠された「歴史の真実」を明らかにする刮目の書。 【目次より】●はじめに コミンテルンの謀略をタブー視するな ●第1章 ロシア革命とコミンテルンの謀略――戦前の日本もスパイ天国だった ●第2章 「二つに断裂した日本」と無用な敵を作り出した言論弾圧 ●第3章 日本の軍部に対するコミンテルンの浸透工作 ●第4章 昭和の「国家革新」運動を背後から操ったコミンテルン ●第5章 「保守自由主義」VS「右翼全体主義」「左翼全体主義」 ●第6章 尾崎・ゾルゲの対日工作と、政府への浸透 ●おわりに 近衛文麿という謎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

44
明治から敗戦までをエリートを中心に左右全体主義者(社会主義者)がコミンテルンの謀略構想そのままに自滅していく様を分析する名著。全体主義が日本を支配する中、保守自由主義者が弾圧されながらも全体主義批判を続けていたことに感動する。10代の頃に読んだ渡部昇一の著作でも同様の趣旨を言及されていたことを思い出した。しかしマスコミ・大学教授は信用できないのは明治以来の伝統何ですね。2018/11/07

ゆきこ

32
第二次世界大戦中の日本において、戦争を拡大・長期化させてしまった当時の日本社会における思想的な背景と、そこにコミンテルンの工作がどう浸透していったかを解説した一冊。戦前・戦中のことを勉強していてもいまいち判然としなかった部分が、この本を読んだおかげでかなりクリアになりました。今後戦争を起こさないためには、ただ「平和を守れ」「憲法を守れ」と言うだけでなく、なぜ先の戦争が起こってしまったかをよく考えなくてはなりません。その意味でこの本は多くの方にぜひとも読んでもらいたい一冊です。2019/11/13

金吾

30
極端に感じる部分はありながら、一つの視点から歴史をみている考えを読むのは楽しさがあります。人に流されることなく自分の考えを確立することがポピュリズムに乗ぜられないために重要だと感じました。第2章と第5章が面白かったです。2025/06/27

Porco

26
大日本帝国憲法下の日本は自由主義であったのに、右翼全体主義者と左翼全体主義者が自由主義を排撃し、全体主義化を進めた、というのが著者の戦前に対する見方です。そして、左翼全体主義者はコミンテルンの戦略に、意識的に、あるいは無意識的に従っていたといいます。日中戦争を終わらせずに泥沼化させ、しかも米英を攻撃して戦線をさらに拡大させるという、軍事的にも政治的にも不可解なことをしたのは、コミンテルンの戦略に乗ってしまったからだとも。まぁ、しかし、直接間接の影響は受けても、自発的にやってしまったら、やった人の責任では?2019/10/20

軍縮地球市民shinshin

26
戦前の日本は左右の全体主義者に牛耳られており、それにコミンテルンが情報工作を施して混乱をさせていたという説を展開。近代史において国際共産主義運動を無視することは最早できないだろう。大政翼賛会は無産政党(左翼)のおかげで成立したし、226事件の親玉の北一輝は完全に偽装転向右翼で、その本心は天皇制打倒であった。ただ戦前は資本家も横暴を極めていたので、その日暮しの農民や低賃金で何十時間もこき使われている労働者を救うためには社会主義・共産主義に傾斜していかざるを得なかったというのは、致し方なかったのだろう。2017/09/24

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