内容説明
米中に胃袋まで掴まれた国――。
自給率わずか39%の日本は、もはや米国と中国の「食料植民地」だ――。
肥満問題にさらされる沖縄を皮切りに、世界各地で「日本の食」が生み出される現場を取材。米・シアトル「BSE感染牛」、タイ・バンコク「冷凍タコ焼き」「鮨ネタ」「アジフライ」、チリ・チロエ島「サケの養殖場」、中国・青島郊外「ホウレンソウ、里芋、枝豆」「骨抜きタラ切り身」、中国・上海沖「アナゴ」――そして、東京「コンビニ各社のお弁当」。
このままで食の安全は守られるのか? 外国からの供給はずっと止まらない? 綿密なデータを加えて、食の「安全保障」をめぐる日本の危機的状況を抉り出した問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
22
日本の食がいかに海外に依存しているか。中国やアメリカ、タイなどの生産地を訪ね、その実態を伝えるルポ。10年前、BSEが問題になった頃に出版されたものの文庫化だけど、食料自給率は低いまま。食料確保は長期的視点で取り組まなければいけない安全保障戦略だと思うのだが、残念ながら場当たり的な対応ばかりが目につく。消費者としては安全・安心な食品を求める気持ちは当然だが、「そんなゼータク言ってる場合じゃないぞ!わかっとんか~!!」という筆者の怒声が聞こえるような・・2018/06/09
tsubomi
6
2023.11.20-12.03:日本の食料自給率はカロリー・ベースでも金額でもかなり低く、この本は10年以上前に書かれた内容ですが、おそらくその当時から見て現状は不変または増悪していると推測されます。自給率は地域差が大きくて、東北・北海道は自給率100%以上の道県が多いんですよね。日本は最先端の武器を使わずとも兵糧攻めで攻略できる国だと周辺国は知っているはず。農林水産業を大事にしない現政府より、全国知事会のほうが危機感を持っている印象。北日本は独立して東京に農林水産物を輸出したほうがいいかもしれません。2023/12/03
みーさん
4
2008年出版が文庫になったもの。現在の状況はどうなのか恐ろしくて考えたくない。家庭で少々国産消費に努めても、外食はほとんど輸入で成り立ってるんだろうと思う。2017/10/18
有坂汀
2
この本の元になったSAPIOに連載されていた記事のころから好きで読んでいたのですが『食べる』という人間の行為が武器になったり国家戦略の一つとして扱われているという現実に慄然としたことを思い出します。ここに特集されていた内容で『怖いなぁ』と思った箇所は戦争が終わっても1970年代に返還されるまでずっとアメリカの領土だった沖縄の食事情に関するルポルタージュで、油や肉を主体とする欧米型の食生活が入ってきたおかげで、沖縄県の肥満や平均寿命や疾病に関するデータが全国でもワーストクラスになっているというくだりでした。2024/11/25
Tomitakeya
2
これからの日本の食料はどうなるのだろう?大丈夫なのか?日々の豊かな食生活の中で、気がつかないが世界では食料争奪戦が行われているのだ。ショックだった。魚の値段が上がった気がして、肉を食べていればいいや、と思っていた。値段が上がった理由が良くわかった。そして、その怖さがわかった気がする。日々の食べ物に感謝して生きていきたい。2017/11/17
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