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内容説明
少年カーディが地下のゴブリンの国からお姫さまを救いだしてから1年.お姫さまの命と王国がまた危険にさらされました.悪賢い従者たちが権力と富をねらって策略をめぐらしはじめたのです.
目次
目 次
第1章 山
第2章 白 い 鳩
第3章 銀の月の持ち主
第4章 お父さんとお母さん
第5章 鉱夫仲間
第6章 エメラルド
第7章 名前の奥にあるもの
第8章 カーディの使命
第9章 手
第10章 ヒースの荒野
第11章 リ ー ナ
第12章 獣 た ち
第13章 パン屋と床屋
第14章 グウィンティストームの猛犬たち
第15章 デルバとバーバラ
第16章 つるはし
第17章 酒 倉
第18章 お城の台所
第19章 王さまの寝室
第20章 裏をかくには
第21章 パ ン
第22章 侍 従 長
第23章 ケルマン先生
第24章 予 言
第25章 援軍の到着
第26章 反 撃
第27章 反撃つづく
第28章 説 教 師
第29章 バーバラ
第30章 ピーター
第31章 清めの火
第32章 王さまの進軍
第33章 戦 い
第34章 裁 き
第35章 結 び
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
73
『お姫さまとゴブリンの物語』の続編。前作から一年後、カーディ中心の本作は、現実世界に目を向けた様相である。宗教的とも感じる崇高な精神の物語だが、哲学や社会倫理、さらにはアニミズム的な自然との関係、そうした多種で豊潤な思索が形をなし、宗教よりもっと根源的な核に触れるようだ。何より、理念ではなく実践を重んじる点は、一宗教の枠組みに囚われない実直さがある。結末に対しての訳者あとがきは胸に迫るが、白い鳩やカーディの手によってもたらされた結びの前半は、アイリーン女王の特別な計らい、エクストラステージにさえ思える。2022/06/07
たつや
53
作者が竹宮恵子さんを知ってたことに驚きましたが、「お姫様とゴブリンの物語」の続編と言うことですが、ちょっと、前作とは趣が違う印象で戸惑う。ラストは欲に目が眩むとこうなるよ、と言う教訓でしょうかね?すごいラストでした。2017/04/13
鮎
21
地の文の丁寧語や、軽やかにご都合主義で済ませる細部はお伽噺のよう。けれど肉屋の犬達に対する仕打ちの残酷さ、召使い達を追い立てる執拗さには冷水を浴びせられたよう。前作での白眉たる老いた姫の神秘は中盤ではすっかり鳴りを潜め、実際的な少年カーディのシンプルな冒険譚となるも、終盤では華麗な転覆に目を覚まされる。時折覗く説教臭さは、病んだ王が幼児とのふれあいから回復に向かうさまと同じに、読み手の子ども達への作者の思い入れか。哲学がかった物言いや詩的な表現も同じく。お伽噺への回帰を一歩外したラストも印象的。2018/06/24
おはなし会 芽ぶっく
13
『お姫さまとゴブリンの物語』の続編。敵対勢力が人間だったせいなのか、ファンタジー?という感じでした。お姫さまは中盤すぎから出てくるのですが、行動的ではなかったです。この本の挿絵が(前巻も)竹宮恵子さんだったので惹かれましたが、ちょっと消化不良でした。ラストのすごさで帳消しですけどね。2020/01/06
北風
9
いつまでも覚えているのは、カーディとお姫さまが再会するシーンと、最後の結末。なんでだろうと思ったが、読み返してみると、確かに前半はかなり説教くさい(苦笑)。後書きにも書かれているが、どうやらマクドナルド自身にいろいろなことがあった様子。当時イギリスは経済の急成長を迎えていたようです。んー、確かに前作との違いを考えるに、相当時代錯誤を感じていたのかもしれないなあ。2015/09/11