内容説明
「殺人事件を被害者の遺族をキャストにした再現劇で解決しよう!」。自称小説家による異様な企ての結末は?
北区十条でクリスマスの朝に発見された一家4人の惨殺死体。迷宮入りが囁かれる中、まだデビューも果たしていない“自称小説家”塚田慎也のもとに、事件の遺族から調査の依頼を受ける。以前、彼が自費出版した未解決の資産家夫婦殺人事件のルポが目にとまり、白羽の矢が立ったのだ。
塚田が調査を進める中で見えてくる、二つの事件の奇妙な共通点。やがて塚田は、あるアイデアを思いつく。遺族をキャストに事件現場で再現劇を行い、犯人をあぶり出すそうというのだ。果たしてこの異様な試みの結末は!?
「自称小説家」の一人語りから、彼が取材した情報を元に書く「〔創作〕『サクリファイス』」という原稿、彼が前に書いた「〔ノンフィクション〕板橋資産家夫婦殺人事件」の原稿、そして、再現劇のシナリオ「脚本『侵入者――Pierrot』」と、様々なテクストが入り混じる、著者得意の叙述トリックが炸裂する。
大好評の折原一「○○者」シリーズ最新刊。狂気の再現劇の観客、それはあなたです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
現実の事件をモチーフにした「~者」最新作。本作のモデルとなったのは板橋資産家殺人事件と世田谷一家殺人事件。この著者を読む時はある事に気を付けながら読むのだが、今回はそれは無かったようでちょっとがっかりする。前半は自称小説家がルポを書く為に事件を調査するというシチュエーションと、作中作によって徐々に事件の全体像と二つの事件の関連が浮かび上がる様子は面白く読めた。ただ後半の舞台劇はなんだかなあ。筋が前半で明らかになった事の再確認だし、犯人も動機も微妙。このシリーズ好きなんだけど、今回はちょっと微妙でした。2019/04/01
あっ!chan
43
「ピエロ」というキーワードで、二つの殺人事件の謎を追いかける自称小説家が主役のお約束どおりのお話。例によって作中作があり、再現ドラマ(賛否の割れるところ?)があったり(その分くどかったけど…あっ!それも折原ワールドだったっけ…)と、同時進行でいくつかの語りが進むけど、いつもより登場人物が少なめで落ち着いていた感じ。冗長感は別にして(驚愕の)エンディングも綺麗に纏まっていて、わかりやすく私には読後感は決して悪くなかった。2020/09/06
じゅんぢ
32
再現劇のせいで、本来この作品がもつ、いいところを消していっているような気がする。2020/02/17
coco夏ko10角
21
〇〇者シリーズ。繰り返しが多くテンポがあまりよくない。犯人は違う人を予想してたのでちょっと意外。2018/07/04
marsa
19
相変わらず覚悟して読みはじめたにもかかわらず、頭が混乱してしまった。ピエロのマスク、百舌の早贄、一家全員殺害。1つ1つの出来事を自称小説家の視点とピエロの視点などいろんな角度からの独白で語られるところは折原作品特有でそれぞれの悪意、嫉妬などの感情が入り混じり不快な気分に。だけど結果が気になって読み続けた。いつもの手にやられたって感じ。2017/10/11
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