内容説明
重度重複障害・自閉症・遷延性意識障害・認知症等でも、人はみな豊かな言葉の世界を持つことを、長年の実践研究から明らかにした感動の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
112
衝撃を受ける。重度の障害を持ち発語がない彼らが工夫された援助機器により、言語を持ち豊かな思いを抱え自分の人生を生きていることを伝える。綴られるその言葉は人間の奇跡。不自由な体を必死で捻じ曲げ、文字を追い学んでいたのだ、誰にも知られず。知的障害とは表現に関わるプロセスの障害であることが、当事者の言葉によって解明される。伝えたかった、自分が言葉をわかっていることを。母親への感謝と愛情。父への思いやり。自分らしく生きたい、人のために生きたいとの祈り。誰かと出会い結婚したいとの願い。生きる人全てが尊いことの証明。2019/01/21
ごー
2
ほとんど体を動かせず話もできない人、発話はあるが会話にならない人、そのような人たちが特別な装置やパソコンソフトを使い、他者の助けを借りて、文章をつづり始める。意思の疎通は絶対に無理だろうと思われていた人々の心の内を知ることができた時、周りの人たちはどんなにうれしかったことだろう。そして本人たちも、ずっと伝えたかったことを表現できて、どんなにうれしかったか。知的障害があるとされていて、話す言葉も拙い人の内側に、豊富な言葉が隠されていたというのは、本当に不思議だ。2019/09/22
ふじか
2
にわかには信じがたい内容で、半信半疑というかこれが真実であれば本当にすごいことだし、希望があるなというのが正直な感想。 門外漢なので素朴な疑問なのだけれど、なぜ物理的なスイッチ(介助者付き等)での会話入力だけなのだろうか? 自分で肢体がうまく動かせない方向けの会話装置として一番に思い付くのが、視線入力なのだけれど。2018/03/07
mogihideyuki
1
衝撃に次ぐ衝撃だった。言葉を理解していないと周囲では考えていた重度の知的障害や自閉症の人、事故で意識不明になり植物状態と思われていた人、そうした人たちが2スイッチ式ワープロなどの方法を用いることで、流暢に言葉を綴ったという。簡単な単語なら発話するという知的障害の人も、これを用いると複雑な文章を書き、不可解な言動や行動は「体が勝手に動いてしまう」と説明する。援助の仕方にはかなりの習熟が必要で、信頼関係がなければ不可能なケースも多いのだろうが、身近な当事者に対して自在に言葉を扱える可能性を常に意識しておきたい2017/11/29
Yuka
0
中村尚樹さんの作品は面白かったけど、本人が語ると全く面白くない。2015/06/03
-
- 和書
- 陰陽師0 文春文庫
-
- 電子書籍
- Lightning 2018年12月号…