私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

  • ISBN:9784862762467

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内容説明

ロングセラー『成功する子 失敗する子』著者 最新刊!

子どもの貧困は、一生の財産になる「非認知能力」を獲得する機会を奪い取ってしまう。
ではどうしたら良いのか。その答えへの扉が、本書の中にある。
――駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス代表理事、「日本語版まえがき」より)

「やり抜く力」「好奇心」「自制心」……人生の成功を左右する力の育み方を、
最新の科学的根拠(ルビ:エビデンス)と先進事例から解き明かす!




近年、世界の教育者から「非認知能力の育成」に大きな注目が集まっています。

ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンは、
貧困や虐待など逆境にある子どものなかでも、IQや読み書きのような「認知能力」ではなく、
やり抜く力・好奇心・自制心のような「非認知能力」がある子どもの方が
将来挫折することなく成功する可能性が高いことを発見し、大きな話題となりました。

本書の著者ポール・タフは、ヘックマンの研究をはじめ、
世界中の研究者によるさまざまな科学的知見と先進事例を統合し、
特に貧困家庭に育つ子どもにとって、非認知能力の育成が
「その後の人生」に大きな影響力をもつことを前著『成功する子 失敗する子』で提示し、
全米ベストセラーとなりました。

一方で、非認知能力の重要性は理解されたものの
「どうすれば非認知能力を伸ばせるのか」という
具体的な方法論は課題として残されていました。

本書は、まさにその疑問に答えようとすべく、
2年にわたって新しい研究や事例を取材して結実した意欲作です。

・幼少期の親子関係のストレスをどうすれば和らげることができるのか?
・問題行動のある子どもがいるクラスの成績を上げるにはどうすればいいのか?
・自信のない生徒のモチベーションを高めるには、どんなフィードバックが有効なのか?

幼少時代から思春期まで、「子どもにとって本当に大切なこと」が詰まっています。


日本でも、「6人に1人の子どもが貧困状態にある」と言われるようになり、
「子どもの貧困問題」「教育格差」は切実な課題となっています。
子どもの教育、貧困問題に関心あるすべての親・教育関係者にとって
示唆に富んだ一冊です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

65
非認知能力、即ち子供の粘り強さ・誠実さ・自発心・楽観主義を育むにはどうしたら良いか?非認知能力育成とは環境の産物であるとする。その環境の一番は大人である親即ち家庭である。そこが長らく子供の心の安全地帯となり、非認知能力が育まれ、学習の積木が積まれるのである。一方でそうした観点での貧困がある。それに何歳ぐらいからどう社会は介入すべきか?この2つの題目である。自分の子と社会はどう子に関わり、介入すべきかのアプローチにつき勉強になりました。2020/02/16

Koichiro Minematsu

49
未だアメリカでも80〜90年代のゼロ・トレランスの方針で学校教育がなされている。それでは逆境で生きてきた貧困層の子どもには活かされない。悪影響だということ。ディーパー・ラーニングという探究型、プロジェクト型、実績重視の評価に。新人研修前に良い学びとなりました。2020/03/21

小木ハム

43
子供の将来を考えると、認知スキル(IQ、学力、語彙、読解力など)以上に、非認知スキル(粘り強さ、好奇心、自制心、誠実さ、楽観主義など)が大事だということが投資対効果でわかっており、その能力を高めるためには環境、とりわけ周囲の大人の接し方が重要。良い子に育ってほしいなら、変わらなければならないのは子供ではなく大人だという事を科学的に教えてくれる本。内発的動機付けが行われる背後には、自律性・有能感・関係性が備わっていること、即ち子供が自信を持って『自分はやればできるし味方もいる!』と自覚させる環境がある。2021/05/04

のえる

30
図書館本。 性格の強みとも呼ばれる気質である「非認知スキル」…粘り強さ、誠実さ、自制心、楽観的なものの見方、好奇心など。非認知能力は教えることのできるものではなく環境の産物である。環境とは物質的なものではなく子どもたちが経験する人間関係である。 インセンティブ施策は効果ゼロで続かず、むしろ対価のために行う仕事のように受け止めてしまう。自律性、有能感、関係性の三つを促進できればモチベーション向上に繋がる。 大人にとっては些細な言動や行動、表情が子どもにとって大きな影響を与えることをひしひしと感じた。2020/12/07

わたなべ

26
子供がより良い人生を歩むうえで重要な非認知能力(粘り強さ・自制心・好奇心・楽観主義など)について書かれた本。近年では認知能力(読解力・記憶力・計算力など)より非認知能力が注目されているらしい。認知能力は教えることのできるスキルだが、非認知能力は「子供を取り巻く環境の産物である」とのこと。確かに、自制心が重要と子供に教えただけでは、その子供に自制心が身につくわけではない。本書では非認知能力の育て方について数例挙げられている。ただ米国の本なので、本書のやり方をそっくりそのまま日本に当てはめられるわけではない。2019/10/26

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