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内容説明
大正時代大阪演藝界を席捲した“吉本興業部”──現在の吉本興業の土台を作り上げた希代の名プロデューサー吉本せい。夫との死別後、弟たちと力をあわせて社業を盛り立てた60年の生涯を辿りつつ、桂春団治、エンタツ・アチャコら芸人たちの藝と生き方、「落語から漫才へ」と動く関西演藝の激動期を鮮やかに描く。NHK連続テレビ小説『わろてんか』主人公のモデルになった女社長の一代記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デジ姫
8
子供の頃からの半生ではなく、ましてドラマと違って下心アリありの親切に失望とした高さを感じた。もしこのままをドラマにしていたら私は決して見ないだろう!2017/12/31
鷹ぼん
4
朝ドラが、山崎豊子『花のれん』に題材を得たものになり、「吉本せい」関連本が書店に並ぶ。数ある中で、矢野先生の本書が吉本せいと言う人を最もよく知ることができる書ではないだろうか。本書でも指摘されているが、小説は脚色虚飾にあふれているのが常で、本書のように多くの資料に当り、足を使ってまとめたものの信頼度は頗る高い。あとがきに「吉本せいの思いをよそに、藝は大きく変質して、藝というより、創造性のない風俗、風潮と化してしまった」とあるが、今回の文庫化で著者が最も声を大にしたかったのは、恐らくここではないかと思う。2017/10/03
Aさの
0
★★★★☆ 立志伝中の女傑・吉本せいを突き放し突き放し、その時代とともに描き出した評伝。これを読めばますます、逆説的に、山崎豊子『花のれん』の素晴らしさが判ります。2018/03/10