内容説明
石
「夜が明けたら」シリーズ全7話をふくむ15篇の名品を厳選しておとどけする恐怖のSF決定版
愛するわが子は異常早熟の天才児だった! 若妻をおそった悪夢を描く表題作「石」、冬の山中で姿をくらました妻を探し、男は不気味な洞窟へ……。地の底にうかびあがった戦慄の光景「黄色い泉」、ある晩、謎の現象によってすべての電力が停止してしまった。暗闇の中でふるえる人々を待っていた苛酷な運命とは?「夜が明けたら」など、血も凍る恐怖の数々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ai
6
表題作や『くだんのはは』が、やはり強烈。小松さんは長編しか読んだことなかったので、短編もこれからどんどん読んできたい。2018/04/02
やまと
4
読書会に備えて、いくつかの話を再読。SFの巨人が著した恐怖短編集。中でも「くだんのはは」は戦後恐怖小説のベストとも称される作品。 太平洋戦争末期。空爆で家を失った「僕」は、知り合いの家政婦のツテを辿り、彼女が住み込みで働く屋敷で居候する。戦局が異様さを増し廊下の奥にまで影を落としこむ中、「僕」は二階ですすり泣く声を耳にする。 オチは予想通りだが、苛烈さを帯びる戦局と森閑とした古屋敷の対比や、むっとにおいの立ち込めてきそうな描写が恐怖を煽る。そしてそれは、終盤で最高潮に達する。あの結末は忘れられない。2019/03/16
寒天
3
くだんのははが読みたくなって。怖いというよりも不気味さと後味の悪さが凄かった。凶暴な口を読むのに気力がいった。2013/04/01
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
3
☆×4.5…これは身の毛が逆立つようなホラー、時折ちょっぴりSF作品集です。表題作は一見するとSF調に見えてきますが、終盤になってある事実が露呈してくると「うわー」となってしまう作品です。天才は確かに逸材だけれどもこう言う天才は金輪際現れてほしくないものです!!よい作品ばかりなのですがお勧めは「比丘尼の死」です。どこか神秘的な雰囲気が終盤に一変するさまは圧巻ですし、人の愚かさをしみじみと感じてしまいましたので。2012/03/12
仮ッ子
3
小学生の頃読んだ「くだんのはは」を再読したく。御本人のあとがきにあるように、ホラーというよりは「怪談」を盛り込んだSF。足元からジワジワ這い上がってくる恐怖を味わえました。面白かった!2009/04/15
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