集英社文庫<br> 孤舟

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集英社文庫
孤舟

  • 著者名:渡辺淳一【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 集英社(2017/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087451115

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内容説明

大手広告代理店の上席常務執行役員まで務めた大谷威一郎。関連会社の社長ポストを蹴って定年退職した。バラ色の第二の人生を思い描いていたが、待ち受けていたのは夫婦関係と親子関係の危機。そして大きな孤独だった。犬のコタロウが側にいるだけのさみしい日々がつづく。人生最大の転機を迎え、威一郎の孤軍奮闘が始まる。定年退職後、いかに生きるかという一大社会問題に肉迫した異色の傑作長編。

目次

第一章 目覚め
第二章 プライド
第三章 秋思
第四章 西陽
第五章 去年今年
第六章 いさかい
第七章 空転
第八章 出奔
第九章 転換
第十章 アバンチュール
第十一章 妻の帰宅
第十二章 二子玉川へ
第十三章 追いかける
第十四章 ニアミス
第十五章 弱気の虫
最終章 本当の自分

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

相田うえお

103
★★★★☆21065【孤舟 (渡辺 淳一さん)】なんだかしっかり読んでしまったなぁ〜という実感を持って読了。ある意味、人生のハウツー本でも読んでしまった様な感覚です。大手に勤めて重役にまで上り詰めた男性が主人公。そんな人でも辞めてしまえば極普通の一般人。何をしていたとか立派な肩書きなどはもう過去のこと。その男性の日常を覗いているうちに、逆にそこからどう過ごしていくか?常日頃の夫婦のあり方?など、しみじみ考えてしまいました。渡辺淳一さん、初読みなんですけど『失楽園』を書かれた作家さんでしたか。2021/07/14

つぼ

33
定年後も会社時代の役職や武勇伝を振り翳すのはみっともない。気を付けようと思ったが・・自身の気づかないところでやっちゃってるかも・・2018/05/24

mio217

27
定年退職後、家族との穏やかな生活を夢見ていた威一郎。しかし、現実は妻から疎まられ、子どもから相手されず、何も趣味がなく、唯一の話し相手は飼い犬のコタロウ。とうとう妻と子は家を出で行き・・・。定年後の団塊の世代のおじさまが何とも滑稽で可笑しくて(笑)、そして可愛くも感じ、リアルな面白い話で一気読みしました。渡辺さんに男女間の心理を描かせたら右に出るものはいないですね、流石です。しかし、ほんと、男ってどうしようもないですね、、(⌒-⌒; )(笑)まあ、でも、男性を少し理解できました!2016/03/03

まるぷー

23
大手広告代理店常務を定年退職した大谷威一郎だが、家ですることもなくゴロゴロの毎日を過ごす。しかも、現役時代の癖か、妻を召し使いのように扱き使い、子供たちにも疎んじられ、やがて妻も主人在宅ストレス症候群になり家を出る。食事や家事を一切できない威一郎、何をやっても身に入らず、デートクラブに出会いを求める。この辺りからヒヤヒヤし、また滑稽さも感じられた。仕事一筋もいいけど、やはり趣味がなければこのような顛末になるのか?男と言えども料理のひとつくらいと。家庭で威張り散らす威一郎には好感が持てず。 2019/03/27

じん

18
エリートサラリーマンの定年後の自分探し?のお話。若い女性とデートクラブで知り合って、なんとか実らせようとするんだけど、なかなか上手くいかないところが滑稽で、どこか可愛いような、寅さんのようなおかしみがある。目的、目標がない日々ってのは、やっぱり、いかがなものかと思うタイプの人は多いのだろう。※男は年齢とともに親友を失い一人になっていく。稀に親友がいたとしても、社会的地位と、経済力も同じくらいでないと成り立たないが、60歳も過ぎると、そんなケースはまずありえない。なんとも、男は孤独な生き物である。p71※2018/09/13

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