内容説明
徹底した皮肉屋ソクラテス、衣装に凝り過ぎてプラトンの眉を顰めさせたアリストテレス、著者が惹かれてやまない性格最悪のハイデガー……古代ギリシャ哲学から20世紀現代思想迄の代表的な哲学者の思想とエピソードを、自身の哲学体験を交えながら分かりやすく紹介。インテリジェンスがにじみ出る名エッセイ。解説・保坂和志
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
18
とっても良い本。哲学を専門で勉強してきたひとにも、おそらく発見がある(扱っている範囲が幅広いため)し、哲学を専攻していないひともそれなりに楽しめるのではないだろうか。「ちょっと哲学好き」くらいのひとにぜひおすすめしたい。21の短いエッセイから成り、木田元先生(ハイデガーが専門)がハイデガー以外のことにも、好奇心旺盛に勉強しながら、ややユーモラスな観点で語る。文章うまい。愉快。2017/09/26
hirayama46
7
はじめての木田元。掲載が文芸誌なので、哲学について深い内容をもっていなくても楽しめる内容になっていました。やや硬めの語り口ですが興味をそそられるトピックがちょくちょく出てきて、読んでいて退屈することはありませんでした。哲学、という哲学者の人間像に興味があるけれど、何から手を出していいかわからない方におすすめの一冊です。/ハイデガーの専門家というのも大変な生き方だ……。2017/11/25
黒い森会長
3
序文の日付が2014年6月、著者が亡くなられた月が8月なので、著者の最後の本になると思う。中身は、哲学(史の)散歩(道)、といった内容。研究の本筋とは違うが、気になったことを少し調べてみた、といった趣の本。文中に出てきた本を調べたり、読んだりすると面白い楽しみになると思う。2017/09/14
go
2
哲学のことはなかなかわからないが、その周辺を散歩するようなのは楽しい。一度ハイデガー読んでみたい。2024/10/20
Asamotom Akajiman
2
晩年に書かれたものであるが、その下調べの量に畏れ入った。あとがきにあったが、昔、中大の土橋先生に伺ったカラオケ好きとの情報は本当だったらしい。2019/01/05