内容説明
僕には「女を蕩けさせ夢中にさせる」という才能があった。県庁の役人としてそつなく仕事をこなし、複数の女と付き合う日々。このまま無難に流れていくかと思えた僕の人生は、叔父の登場で変化しはじめる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
93
★★☆☆☆22086【取り扱い注意 (佐藤 正午さん)k】何とも言えない雰囲気のストーリーを80%ほど読み進めたあたりから一気に目が離せない状態になりました。いつもの様にどうしようもない男と女が登場し、普通のものさしでは測れそうもない独特の作品に感じます。ラストも、え?ほんとうにこのままでいいのか?大丈夫なのか?と、若干、心配してしまいましたが、凡人とは考え方、生き方が根本的に違うんだろうなぁ〜。と自分を納得させて読了〜!この作家さんは初期の作品よりも最近の作品の方が個人的には好みかな。2022/09/25
ちゅんさん
37
なんかごちゃごちゃしてて今回はあんまり楽しめないかも…と途中までは思ってたのですが中盤以降から一気に面白くなり最後にはしっかり満足してました。やっぱりね佐藤正午作品の会話が好きなんだよなぁ。今回の主人公鮎川は紳士的にした津田伸一って感じでなかなかよかった。“ロリータ”読んでればもっと楽しめただろうな。やっぱり古典・名作は読むべきですね。2020/02/17
ロマンチッカーnao
31
小説巧者佐藤正午さんの上手さがよくわかる一冊。ダメな男に淫乱女にロリータ。どうしようみない人間ばかりの人間喜劇。うまいなぁと思いつつ、そんなことも忘れて最後まで一気に読んでしまいます。いやぁ、佐藤正午さんはほんまにすごい作家さんです。2018/04/04
ゆきらぱ
29
男女の描き方が少しずつ古いかな?舞台は90年代半ば。恋愛至上主義。隔世の感がある。2021/08/11
八百
24
通勤途中にある図書館の分館は蔵書が古くさながら古書店の趣きを醸し出して…で懐かしさも手伝い借りてきたのが性懲りもなくまた正午さんの20年も前の本。それなのについこの間読んだ最新刊の「鳩の撃退法」と内容が全く変わらないのは何故?同じ人が描いているのだから当然と言えば当然なのだがその進化の無さに結構笑えたのは事実。いやそこは小説巧者であるらしい正午さんのことだから進化が無いのではなくきっと最初から高度に完成していたと言うことにしておこう。なんにせよこの独りよがりのハードボイルドはクセになるのですよ、はい2015/05/15