中公文庫<br> 最後の帝国海軍 軍令部総長の証言

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中公文庫
最後の帝国海軍 軍令部総長の証言

  • 著者名:豊田副武【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2017/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784122064362

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内容説明

山本五十六戦死後に連合艦隊司令長官をつとめ、最後の軍令部総長として戦艦大和の水上特攻など断末魔の帝国海軍の各作戦を命令した海軍大将が語った貴重な記録。そこに描かれた海軍内部の生々しいやりとりから見えてくる「海軍の失敗の本質」とは何か。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

21
負け色が濃くなり、どうしようもない卒業席次から、いかにも指揮官が似合わない軍人が指揮をとる末路。軍令部総長の貴重な証言ではあるから取ってはおいとく。2020/10/24

鐵太郎

13
豊田副武と言う人についての印象は、個人的には石頭の頑固者などあまり良くなかったのですが、この本を読む限り「良識的な考えを持ち、意に添わないながら与えられた職務を果たしたが退勢は覆せず、終戦工作にあたってなすべき役割を果たそうとしたが口下手・説明下手のために米内光政などに疎まれた真摯な武人」という印象になります。実戦指揮官より、より得意な軍政家としての活躍の場があれば、歴史は彼をどう評価しただろうか。──視点を変えると歴史は面白いもの。2020/12/31

CTC

13
17年中公文庫。底本は50年に世界の日本社刊。外交官出身の詩人で戦後同社を立ち上げた柳沢健が、[顔叢書]というシリーズ(第1巻は秩父宮だ。ほか池田成彬、佐藤尚武、藤田嗣治など)に組み込んだ。豊田の巣鴨出獄翌日から日参し口説いたということだ。豊田を収録したのは、戸高一成が解説に書いているが…この海軍の責任者が無罪放免されたのは当時「一種の衝撃」だったからという訳だ。豊田は当初固辞したのだが…自身の無罪を快く思わぬ人がいる事を感じていたから、人の悪口をいうことになるから、早く忘れたいから、という理由だったと。2020/09/27

ジャズクラ本

13
◎これも「戦艦大和と一万二百個の握り飯」で知った本で海軍大将だった豊田副武の口述筆記。初版は東京裁判2年後の1950年だが僕が読んだのは1984年の再刊本。幼少から戦時中を経て軍事裁判までの経過が綴られてた一次資料で、海軍首脳なだけに御前会議や政府、陸軍上層部とのやりとりなど貴重な戦時下の情勢描写が生々しい。拘留から裁判に至る公人としての矜持と併せて私個人としての不安も綴られておりとても興味深く読めた。当然陸軍とは軋轢が深く、容赦ない記述が多少残念にも感じたが、これも含めて間違いのない一級資料と言えよう。2020/06/16

筑紫の國造

10
連合艦隊司令長官、そして軍令部総長という海軍トップをつとめた豊田副武の回想録。豊田は連合艦隊司令長官時代に司令部を東京の日吉に移した事が批判を受けているが、豊田自身の弁明と戸高氏の解説を読むと一理ある部分もある。ただし、終戦時の態度についての弁解はやはり無理があるし、特にポツダム宣言に海軍側代表として出席しなかった件については記述が皆無に近く、やはり批判的に読む必要があるだろう。それでも、いやそれゆえに帝国海軍が孕んだ病理を知るのには欠かせない1冊だと思う。2024/07/01

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