戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

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戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

  • 著者名:加藤陽子【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 朝日出版社(2017/08発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
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  • ISBN:9784255009407

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内容説明

●受賞歴
紀伊國屋じんぶん大賞2017受賞

●内容紹介
かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。
より良き道を選べなかったのはなぜか。日本近現代史の最前線。

この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、
交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、
掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります。(「講義の終わり」により)

*************

読んでいて、一段階ずつがスリリングで、ダイナミックで、おもしろい。〔…〕
この書評を書きながら反省したのだが、結論に走ってはいけない。自分の意見に合うところだけつまみ食いしてはいけない。
史料を読んで、過程を辿って、その中から今後に役立つものを誠実に抽出する。これはそのよい練習になる本である。
――池澤夏樹さん(2016年9月4日掲載、毎日新聞書評)

日本の未来を真剣に考えるすべての人にとっての必読書だ。
――佐藤優さん(2016年9月12日号「AERA」書評)

著者の知識に接する中高生たちの問題意識の鋭さは頼もしい。
「普遍的な理念の具体化」が欠けていた時代だったという結論を読者もまた共有する。
――保阪正康さん(2016年10月2日掲載、朝日新聞書評)

ページを捲るたびに、自分の視野の狭さに気づき、自分ならどう判断していただろうかと考えさせられた。〔…〕
単純化した物語に回収することはいくらでも可能であろうところを、事実にもとづいて、より豊かな物語として
理解していくプロセスを楽しませてくれる。
――開沼博さん(2016年9月25日号「サンデー毎日」書評)

当時は「これしかない」という空気が作られ、現在も「日本は戦争に追い込まれた」といういいかたがされる。
しかし、加藤が中高生たちと史料を読んでいくと、別の様相が見えてくる。
――永江朗さん(2016年9月9日号「週刊朝日」書評)

キーワードは「選択」で問題の「本質」が選択肢に反映されているか否かを、国外・国内の情況や対抗関係をみすえ解読する。〔…〕
「戦争まで」の動きがたんねんにたどられ、中高生ならずとも、多くの知見を得る。
――成田龍一氏(2016年9月25日、日本経済新聞書評)

著者の采配に従い史料を読む受講生の疑似体験的ワクワク感も感じ取れるが、その史料読解作法は
頭の中に立体的に現実を再現するというもの。戦争にしろ同盟交渉にしろ、日本外交から「理念」という言葉が
消えていることにも気付かされた。
――原田敬一氏(時事通信書評)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本

168
中高生に向けた講義との事で丁寧に説明されているが、そもそもが難しく読み進めるのに時間がかかった。資料を細かくイラスト付きで引用する事で分かりやすくなってるのがせめてもの救い。根拠が薄いか引用の無い陰謀説が流行る昨今、本書の様にしっかりと資料を引用して特定の層に人気のある陰謀論を否定するのは実に清々しい。読みやすい本ばかり読むのではなく、時にはしっかりと腰を据えて読む重要性を再認識した一冊。2019/01/29

ベイス

129
最も印象に残ったのは、戦後を形作った経済連携、反共、国際協力といった枠組みが、戦前の重大局面における英米との交渉時に早くも提案されていた、という点。リットン報告書も三国同盟もハルと野村の日米交渉も、要するに視野狭窄に陥っていた日本(およびドイツ)と、大局的な視野(それだけではないが)をもっていた英米さらに蒋介石の中国との間の駆け引きであった。戦後の枠組みの是非は別な議論が必要だが、愚劣な選択を繰り返した原因の探求こそが、歴史を学ぶ意義だろう。「学問は歴史に極まれりby荻生徂徠」巻末に良き言葉と出会えた。2023/05/14

榊原 香織

71
中高生対象の講義をまとめたもの。 その割に難しい。 満州国について分析したリットン報告書は膨大な物だったそうで、どちらかというと日本の立場に考慮したものだったらしい。 イメージ違う。 長すぎて皆ちゃんと読んでなかったんじゃないか。 一次資料を読む大切さ。 皆で資料を読み込む、という講義。 出席してた学生たち、ひとかどの人物になっていそう2021/09/26

キムチ27

67
2冊目になったこれは余りにも今を生きている私に取り、判断が生々くなりそう。従い、ネットに載せ辛いなと考えた。現在、俎上に乗っている安保関連法案や集団自衛のあり様、そこに連なってくる米新体制との関係。個人的理想論は無論、国際法規的に言っても相当な思考すら危うくなりかねない。保護主義に向かう国、漁夫の利を得んとする国、国家存亡に関わる死命を感じている国、民族的あるいは宗教原理で語ること自体、極めて困難な国・・世界はパラドックスに満ちすぎていて読後、重苦しさに包まれてしまった。2016/11/21

おさむ

56
その薀蓄の深さから密かに「近現代史の女司馬遼太郎」と名付けている加藤先生の新作。リットン調査団報告、日独伊三国同盟、1941年の日米交渉と3つの歴史の分岐点を豊富な一次史料から検証し、現代の教訓にする。講義の会場はジュンク堂池袋本店だったんですね。私も参加したかった‥(笑)。中高生向けとうたいながら難解かつ重厚ですが、複眼的多層的な検証は読み応えあり。名著「それでも、日本人は戦争を選んだ」に比べ玄人向けな気もしますが、ネット世界に溢れるノイズに惑わされず、こうした良書が売れたらいいなと切に願います。2016/08/24

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