内容説明
「持ち主を死へ誘う人形」。
古美術商の柊ニーナは、いわくを知りながらも、パリでビスクドールの最高峰ブリュ・ジュンを買い付けた。
ニーナと同様、本物の少女と見紛う精巧さに魅せられた客達がブリュを購入していくが、
彼らは謎の死を遂げ、ニーナも奇妙な現象に悩まされるようになる。
ブリュは何を訴えたいのか――パリで調査を始めたニーナは、やがてあるおぞましい過去に突きあたる。
戦慄のスピリチュアル・サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
74
精巧に出来た美しい大型のビスクドールを買い付けた古物商のニーナ。そのビスクドールには死の呪いがかけられているというが…。真相を調べていくうちにある接点が浮かび上がる。欲望に狂った身勝手さがおぞましく憤りと嫌悪感しかないホラーサスペンス。2022/06/21
キャプテン
61
★★★☆☆_「暗く黒い夜の底からフェア」第十弾。角川ホラー文庫まつりもようやく最後。本棚がずいぶん真っ黒になったなぁ〜。持ち主が必ず死に至るアンティーク人形の秘密を追う美術商・ニーナの物語。物語の最後に本作のテーマがはっきりと明示されるが、男ならば少しはどきりとするのではないだろうか。全体的にぬるりとした雰囲気を上手く作れているが、ホラー描写はかなり弱い印象。それよりも性描写が多くて、なんか求めてたのとちょっと違ったなぁ。ちなみに、主人公ニーナは「新菜」で、日本人である。今回フェアでホラーに飽きた気がする2017/10/04
そのぼん
20
恐ろしいほどのリアリティーと美しさで見た人を惹き付ける人形を巡る物語。日本で骨董品店を営み、古美術商として活躍している主人公・柊ニーナが買い付けに行ったパリのアンティークショップで超大型のビスクドールを見せられて、その場で購入を決断します。そして、物語は徐々に恐ろしい方向に向かっていき・・・。精巧に、丁寧に作られた人形って、美しさと同時に何だか不気味さも感じる気がします。それが読んでいて伝わってきてゾワゾワしました。面白かったです。2017/10/07
MINA
12
言い方悪くて失礼だけど、ちゃんとホラーだった。いや、いつも印象としては官能+暴力+狂気を延々と描いててそれはそれで全然だからこそ好きなんだけど、ホラーというには違和感があったのよね。これは人形が主人公だし純然たるホラーだと思った。ちょっと物足りないラストではあったけど。2018/11/30
ちびごん
8
前半から中盤まで少し説明が多く、なんとなくダラダラ...。中盤以降は少し背筋が寒くなるような不安感に包まれながら一気に読了。性的描写が多いのと、好みではない内容に嫌悪感も。ビスクドールやワインのくだりはとても興味が持てた。ホラー中心に進めて欲しかったと思う。好みが分かれる作品。2017/12/04