新潮新書<br> リベラルという病(新潮新書)

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新潮新書
リベラルという病(新潮新書)

  • 著者名:山口真由【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 新潮社(2017/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106107290

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内容説明

人間への信頼、平等の理念にもとづくアメリカのリベラリズムが今、危機に瀕している。政治や司法から、宗教観や家族観、性差や人種問題まで、伝統的コンサバティズムとの対立を繰り返してきた歴史をひもとき、トランプ政権下で大きく軋む社会の断層を浮き彫りにする。さらには、欧米のリベラリズムを奇妙な形で輸入・加工し続けてきた日本的リベラルの矛盾と限界をも鮮やかに解き明かす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
人間って自分が無垢であると信じれば信じる程、他人を許せなくなるものかなあ。リベラルとコンサバの対立を、主にアメリカを例に出しながら紐解いた一冊。ここで解説されているのはトランプ当選の一因ともされていたPCから始まり、最高裁判事の裁量の大きさとそれを巡っての両者の対立、科学の発展と共に変化する家族の形等。これらが例に出されることにより、両者の対立点がよりすっきりとわかりやすくなっている。アメリカのリベラルが敗北を受けてコンサバの穏健派と結びつくというのは面白い視点、日本の場合先鋭化するだけみたいだからなあ。2017/09/23

ビイーン

28
本書でアメリカにおけるリベラルとコンサバの違いがよく分かった。自分達の事をリベラルと称している日本の野党の主張は本来のリベラル定義から外れていた。日本共産党を除く野党は政権交代を真面目に狙うのであれば、政策の一貫性の無さを大いに反省し出直すしかない。2019/01/13

sasara

23
政府不信、家族第一、小さな政府、外国不干渉コンバサ共和党と人間信頼、個人の選択第一、大きな政府、他国干渉大好きリベラル民主党の二大政党はトランプのエリート層(有名大卒、政治家、官僚、メディアなど)批判戦略により白人貧困層が離れて混迷中。バイデンは極左を抑えてリベラルでアメリカを復活させることができるのか。オリンピック批判は左派とモーニングショーで発言し炎上した東大法学部卒財務省出身者の著者が問う。2021/06/09

ミッキー・ダック

22
日本のリベラルに疑問を持った著者は、ハーバードでの経験を生かし、本家米国のリベラルを、歴史に根付くコンサバ(保守)と比較しながら、米リベラルの偏狭さと日本の特殊性を明らかにした。◆昨年の大統領選以前からリベラルと保守の対立・分断が根深くあったことを、最高裁や家族の考え方等の違いを通じ具体的に知ることが出来た。国に頼らず自分の家族は自分で守るという伝統に拘る保守と、国が主導して社会の多様化に対応するために伝統を捨象するリベラルの価値観の覇権争い。著者は、リベラルの理想は美しいがやり方が問題だと。→ 2021/06/08

えーた

22
「7回読み」の山口真由女史の著書。要は過ぎたるは猶及ばざるが如しという話。いかなる意味においても少数者を差別しない事を「ポリティカル・コレクトネス」といい、一方、性的マイノリティの人をすべて表現すると「LGBTQQIAAPPO2S」となる。私達の言動も表現も、これら一つ一つに配慮しなければならないのだとしたら、ただ何も言えなく、書けなくなってしまう。本書は一貫して米国の法曹界、家族の在り方等を通して、コンサバとリベラルとはそもそも何か、その起源と変遷の歴史等が分かりやすく解説されており、大変面白く読めた。2017/10/06

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