人民元の興亡~毛沢東・トウ小平・習近平が見た夢~

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人民元の興亡~毛沢東・トウ小平・習近平が見た夢~

  • 著者名:吉岡桂子【著】
  • 価格 ¥1,782(本体¥1,620)
  • 小学館(2017/08発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093897716

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内容説明

通貨と権力の150年史。

【朝日・日経・読売、週刊東洋経済、週刊現代ほか各紙書評欄に掲載】

「経済力の日中逆転という歴史的転換点にあって、日本は自らの新しい立ち位置を見いだせるのだろうか、さまざまな思考をかき立ててくれる秀逸な一書だ」 ――京都大学教授・諸富徹氏(朝日新聞2017年7月23日付)

「東アジア通貨烈烈――本書は人民元をめぐって蠢く人間と権力の大河ドラマである」 ――北海道大学大学院教授・遠藤乾氏(週刊現代2017年8月5日号)

「国際金融のキーマン達へのインタビューがふんだんに引用されており、圧巻である」 ――京都大学教授・奈良岡聰智氏(読売新聞2017年6月25日付)

「ビットコインなど仮想通貨の出現により、政治に翻弄されてきた貨幣が、逆に政治を変えるかもしれない。それが著者の意味深な結びである」 ――早稲田大学教授・天児慧氏(京都新聞2017年7月9日付)

【本書まえがき】
中国の通貨の種類は一時、千を超えたとも言われている。
国内は、もとよりばらばら。列強の外貨は押し寄せる。もたもたしているうち、日本の「円」とつながる通貨が、満州国のみならず攻め込んでくる。清朝末期から百年の通貨事情は、中国という国家が置かれていた状況と、まさにコインの表裏である。この時代に刻まれた記憶から、中国の人々の胸の奥底には、国が分裂の危機にさらされるのではないかという恐怖がある。とりわけ統治者には。  

【内容紹介】
毛沢東が統一の「象徴」として産み落とし、トウ小平が「改革開放」のために育み、習近平が「世界制覇」の足がかりとした。人民元の正史を辿りつつ、戦前、「反日通貨」としてばらまかれ、戦後、「円」の盛衰を反面教師にしてきた裏面史も明らかにする。

世界経済の主役に躍り出た紅い通貨――。
取材期間20年を経て、その秘史に分け入る。

【目次】
プロローグ 瓜を割られる恐怖
1章 通貨と権力
2章 「Y」をめぐって
3章 良貨か、悪貨か
4章 危機と競争
5章 サークルズ、それは圓の仲間たち
6章 通貨の番人
7章 覇権
エピローグ 顔のない通貨

※この作品はカラーが含まれます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Akihiro Nishio

20
人民元を世界通貨にしようと目論む中国であるが、意外にも文明発祥以来通貨を統一できたのは、この70年のみである。共産党による支配の後、中国としては極めて慎重に人民元を守ってきた。日本が円のパワーに浮かれ、やがて凋落する姿から多くを学んだ。ついに経済規模が世界2位となり、基軸通貨の特権をドルから一部奪おうとするも簡単ではない。そもそも基軸通貨の信用を得るために強大な軍事力を保有して消費を宿命づけられているアメリカが本当に得をしているのか?信用を得るために莫大なコストをかけない仮想通貨はドルの覇権を崩せるのか?2018/04/19

まーくん

4
口絵のカラーページに見いてしまった。今は昔。外貨集中管理のためか、外国人は外貨兌換券という妙な代物を使わされた。二重価格制で、例えば同じ列車の切符を兌換券で購入すると人民元の1.5~1.7倍。街で買物すると、お釣が人民元で来る時も。口絵によると第三世代人民元らしい。何十年も?巷を巡っていたのかボロボロ。汗や手垢にまみれていて、親指と人差し指でつまんで使った。閑話休題。本書は単に人民元紙幣の豆知識を扱ったものではなく通貨政策を切り口に中国経済の興隆を扱った力作。あっ、余談が過ぎた。内容評価は他の方の感想で。2017/07/31

Hatann

3
通貨史ではない。歴史を少し遡ってはいるものの人民元の国際的な位置づけについての数十年間の興亡であり、興亡に携わった日中ほかの人間関係を素描する。人間関係に焦点を当てているのでスムーズに読める。2012年の尖閣諸島問題以来、閣僚級のホットラインが切断されている状況らしいが、こういうときこそ官僚・民間レベルの複数のチャネルが生きてくるのではないかと。ただ、AIIBを巡る財務官僚の匿名発言を読むと、もうちょっと肩の力を抜いてスマートに外交処理できないものかなとは思う。通貨は銃弾なりといってもなあ。2017/12/02

Uz あなぐま

2
とても若い通貨である人民元、2000年までの話が面白い。通貨に限らず、ルール作りや冷静な駆け引きで利益を取りにいく欧米のずる賢さ、助けてくれる相手なら「ありがとう」といえるアジアの国々のたくましさ。バブルのあとの驕りと自滅が残念な日本。日本の経験をよく研究しているという中国は驕りを封印して夢を実現できるだろうか。¥のトリビア→日本円はyen中国元はyuenで通貨記号はどちらも「¥」になる。そして元、円、ウォンはいずれも丸いという意味で、かつての中国で使われた銀圓に由来するといわれる、知らなかった。2022/06/30

templecity

2
各国の通貨が歴史的に地位拡大を図ったのと同じように中国国内でも様々な通貨の派遣争いがあった。毛沢東が人民元の紙幣の肖像画を拒んだ理由が面白い。当時は紙幣がとても汚くて二つ折りにして尻のポケットに入れたりしていたから。日本もAIBを立ち上げようとしたが米国の反対と中国の虫で頓挫した。米国も第二次大戦後は露骨なドル地位拡大を図った。 2018/03/16

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