内容説明
わたしはひとりじゃない。
夜、見上げれば、わたしには
わたしが生まれた
あの赤い星の近くの星が見える。
子どもと、かつて子どもだった人へ贈る物語。
芥川賞受賞第一作!
「生きるというのは永遠に巡ってゆく
回ってゆくのだと、流れるイメージの
中でほしのこが可愛く力強く教えて
くれました。天ちゃん、カッコイイ。」
のん(女優・創作あーちすと)
【出てくる人】
天――海辺の小屋で暮らす少女。父は大雨の日、山から星に帰ってしまった。
ルル――その冬はじめての雪が降った日、小屋にあらわれた女の子。
飛行機乗り――山に、飛行機が落ちてくる。飛行機乗りは、ケガをしている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
133
当初読むつもりはなかったのですが、図書館新刊コーナーで見つけたので、とりあえず読みました。芥川賞受賞作『しんせかい』に続いて、山下澄人2作目です。本作の方が『しんせかい』よりも芥川賞っぽい趣きです。こりん星から来た小倉優子(ゆうこりん)を想い出しました(笑)先日読んだ芥川賞候補作家、今村夏子の『星の子』と本作の【ほしのこ】対決に関しては『星の子』に軍配を揚げたいと思います。2017/09/28
千穂
48
今村夏子さんの星の子とタイトルが同じだったので図書館新刊コーナーで見つけ気になって読んでみた。ファンタジー?話がどんどん飛んでしまいついていけない。私好みではありませんでした。2017/09/18
14番目の月
37
主人公の女の子にちょっと「モモ」を感じました。全体を見たときにどう理解して良いのか難しくて、何かを感じるということもできずとても残念です。(わたしの至らなさです)2018/05/25
とら
23
山下さんの作品を読むと、些細な問題が本当にどうでもよくなる。ファンタジーはそのまま「現実逃避」をするときに使えたりするけど、その域すら越えて、ファンタジー(現実逃避)なんかよりも壮大な、何かを感じ取ることが出来る。そのメッセージは、もう神とか、命とか、輪廻とか、自分という存在そのものに浸透していく。あとこの作品は、単行本で読んだほうが良いな、とも思った。絵本のようでもある。想像力が豊かで、素直に読める、子供のほうが楽しく読めるんじゃないかなと思った。感覚で読むべき作品。2019/03/20
ふじ
19
ほしのこは、ただにほしのこなのか、はたまた天界までの橋渡し役だったのか。現実が徐々に遠ざかり、夢の中を行ったり来たりするような、感じる物語。2017/12/12