内容説明
澁澤没後三十年を機に、著者のすべての小説とエッセイから「動物」をテーマに最も面白い作品を集めた究極の「奇妙な動物たちの物語集」。ジュゴン、バク、ラクダから鳥や魚や貝、昆虫までの驚異の動物園。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
117
獏、象、犀の大型動物からドードー、極楽鳥などの鳥類、海に棲む生物、そして昆虫に至るまでプリニウスを筆頭に空想や伝説を混じえて紹介したエッセイ。古来の人はよくぞここまで想像を逞しくして、動物の生態に迫ったものだと感心するのと同時に、正体が解らないからこそロマンに満ち溢れた様々な生き物に関する書物を残せたのだなと面白く感じました。中でも「文字食う虫について」がいかにも澁澤氏らしいエッセイでお気に入りです。「儒艮」と「獏園」を読んで「高丘親王航海記」も再読したくなりました。澁澤氏の博覧強記にはいつも圧倒されます2018/02/16
橘
39
澁澤龍彦さんの本を読んでみたかったのです。動物、鳥、魚、虫に関するエッセイのような、評論のような本でした。面白かったです。澁澤さん、どれだけ知識量あるのだろう、と驚きました。澁澤さんが引用してくる歴史上の人物たちの記述も面白かったです。昔の人の、よく分からない生き物への想像力、すごい。今では有り得ない、と解りますが、昔々はこれが信じられていたのだろうな。こんなのがいっぱい居たら楽しい地球だと思ってしまいます。初めて目にするような知らない漢字もたくさんで、読んでいて楽しかったです。他の本も読みます。2018/01/08
そふぃあ
23
脚がなく死ぬまで飛び続けると信じられていた極楽鳥の伝説や、初期のキリスト教では魚がキリストの象徴とされていた話など、プリニウス『博物誌』をネタにした生物に関する四方山話が詰まっている。 特に印象的だったのは、ドルイド教ではウニの殻が”再生と復活のシンボル”だと信じられていて、ローマ人に征服された後もゲルマン人にはウニの殻を墓に埋める習慣が残った、という逸話。改めて見るとウニの殻は神秘的な形をしているなと思った。2021/10/05
阿部義彦
23
澁澤の動物、昆虫を巡るエッセイ集、ヤマザキ・マリさんが新潮45で連載中のプリニウスの「博物誌」からの引用が多いです。本当にプリニウスは自信満々に観てきたような嘘を並べてますよね。前半の二篇は小説で「高丘親王航海記」からですが、これが面白いのなんのって早速元本を読みたいと思いました。没後30年を機に澁澤龍彦ちゃんと読もう!既に同じ河出書房新社からの単行本「澁澤龍彦玉手匣」は買って積読状態です。象や駱駝などの大きい動物より蟻や蜂、貝殻や玉虫等小さな物にこそ惹かれてしまう感性の持ち主。蟻地獄を飼う話面白かった。2017/08/06
双海(ふたみ)
17
再読の文章ばかりだが、さすが澁澤 楽しませてくれる。表紙デザインは私の澁澤イメージと違うのでイマイチかな。澁澤には貝殻にかんする文章がいくつかあるが、その中でも本書所収の「貝殻頌」は素晴らしい。貝殻好きの私にはたまらない。「澁澤さん、あんたの言う通りだよ」と何度も思いながら読んだ。しあわせな読書体験である。2017/07/28
-
- 電子書籍
- トライアル婚 4巻 Comic☆Pec…
-
- 電子書籍
- ドラえもん科学ワールド 未来をつくる生…
-
- 電子書籍
- 蒼のラプソディ 集英社コバルト文庫
-
- 電子書籍
- 不埒な彼と、蜜月を エタニティCOMI…
-
- 和雑誌
- 近代食堂 (2025年1月号)