新潮文庫<br> イノセント・デイズ(新潮文庫)

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新潮文庫
イノセント・デイズ(新潮文庫)

  • 著者名:早見和真【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 新潮社(2017/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101206912

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内容説明

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ウッディ

1040
元交際相手の妻と子供に対する放火殺人の罪で死刑判決を 受けた田中幸乃。極悪非道な犯人像を作り上げるマスコミ報道の裏で、彼女がそんな罪を犯すはずがないと信じる人がいた。。幸乃の幸せな子供時代と転落後の落差が切なく、何も求めずただ耐え忍ぶ姿が儚げだった。後半は、そんな幸乃に救いの手を差し伸べる人達の願いが届きそうで届かないことがもどかしく、頁をめくる手が止められなかった。「無実な」「無邪気な」という少しニュアンスの違う意味をもつ「イノセント」という形容詞が幸乃には最もふさわしい含蓄のあるタイトルだと思った。2018/07/27

どんふぁん

941
2018年11月5日読了。衝撃的すぎるため、すごい勢いで読了してしまいました。幸乃ちゃんが気の毒で気の毒で終始胸が張り裂けそうでした。最後は最初のプロローグでわかってはいたけど、辛かった。2018/11/05

bunmei

794
これほどまでに、痛く切ない人生の顛末に胸が締め付けられる思いで最後の頁を閉じました。冒頭、死刑執行の朝の様子から始まる物語。幸乃がなぜ元恋人の家に放火し、その妻と双子の子供を焼死させるような残忍極まりない凶行に及んだのか…。そこには幸乃の母の生立ちから遡り、産科医、小中学校の友人、元恋人やその友人等、様々な人の思い出と共に語られていきます。メディアで語られる幸乃とはあまりにもかけ離れた、彼女自身がずっと抱いてきた孤独との闘い、そして衝撃的な真実に、最後は涙で文字が霞みました。早見氏の展開の巧さに脱帽!2017/06/29

さばかん

737
思ってたよりもスムーズに読めた。   多視点形式なのも良い点。    なんというか私の語彙力で言い表し難いけれども、面白かった。    面白いんだよ。とにかく。他人から見た他人の人生なんて。    人の一生なんて。こんなもん。    いいように生きれなかったなら、いいように死にたいもんだね。2017/04/23

ひでちん

670
筆者の作品は初めて拝読しましたが、若年での妊娠&出産や学校内でのいじめやカースト云々の物語は数多あれど、リアルな地域差別や出生による差別の描写には息を呑んだ‥‥その部分に関しては中々攻めた内容だと思った。 親からの想いを託された【幸乃】という名前とは裏腹な幸薄い人生‥‥‥敬介みたいなクズ男ですら、彼女の一時の心の支えになったのだと思うと堪らなくなる‥‥ 解説で、私が大好きな作家辻村先生が「決して救いがない物語では無い」と述べているが、幸乃にとって、自らの死が幸せだったのかと思うと何とも言えなくなる‥‥2021/10/19

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