内容説明
福岡市内の団地から緑に囲まれた小さな村に引っ越してきた加奈子は、都会とのギャップにとまどいながらも、次第に自然の豊かな恵みに満ちた暮らしに魅了されていく。 そして、森で出会った素敵な笑顔のおばあさん・おハルさんと過ごす時間の中で、命の重みや死について、生きることについて、考えはじめる――。 深い森がはぐくんだ命の記憶を、少女のまなざしで瑞々しく描いたあたたかな物語。 第31回坪田譲治文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オリックスバファローズ
97
大自然の中で命の重みを学ぶ少女の姿を描いた自伝的小説。 永作博美・故樹木希林主演でNHKドラマにもなった。第31回(2015)坪田譲治文学賞受賞作品2019/02/19
まさきち
83
父の発案で突如糸島の片田舎の一軒家に移り住むこととなった小学生の加奈子。そんな彼女と両親、姉と妹に近所の人々、そして慈愛に満ちたハルさんとのたった一年あまりの日常を綴った物語。全編に渡って優しさと温かさに満ちていて、できれば子供の頃にぜひ読みたかったという思いを抱いての読了です。2025/07/16
けんとまん1007
63
子どもたちの日々の成長・変化が、さりげない日々の描きかたから感じられる。背伸びした感じがないのがいい。遥か昔になるが、自分の子どもの頃の風景を想い出した。それにしても、ハルさん、いい味だなあ~。2021/05/21
ばう
57
★★★ 著者が子供の頃一年ほど過ごした糸島の思い出を物語にした作品。いきなり蛙の礫死体(‼︎)だらけの雨上がりの道を登校する場面から始まるけれど(😱!)糸島の美しい自然、温かい人々との交流が優しい筆致で描かれていく。中でも死刑囚の慰問に行くハルさんが物語に厚みを出している。若い頃経験した辛く悲しい戦争体験が今も色濃く影を落としているから死刑囚の人達の心に寄り添い続けるのだろうか?子供に対してもきちんと向き合ってくれる大人達、子供同士のふれあい、そして豊かな自然。こんな子供時代が過ごせたら幸せだろうな。2025/04/07
優希
51
面白かったです。加奈子が命について考えるようになるのが良いですね。糸島の豊かな自然の中で成長していく姿が生き生きとしていて素敵でした。みずみずしくて爽やかな読後感を味わいました。2022/09/05
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